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あの後身を寄せ合い一緒に少し眠って、シャワーを浴びて帰っていった彼の体温がもうすでに恋しい。今日は泊まっていかないんだと肩を落とした。
泣いてしまうわたしをドンヒョクさんは、子どもを慰めるみたいにもっともっとと甘やかした。これ以上甘くなったら胸焼けしてしまう、というほどに。内心、面倒くさがっていないだろうか。すぐ泣く女は面倒くさいとよく耳にする。
いつも以上にわたしが欲しがるような言葉をくれたその行為を思い出しては、恥ずかしくなり枕に顔を埋め足をジタバタさせた。速くなる心臓の音を落ちつけようとそのまま深く息を吸うと、心なしか彼の匂いがした気がして胸が締め付けられる。
彼のことを考えているせいで何事も手がつかず、ただ時間だけが過ぎあっという間に土曜日のお昼。
さすがにこのままではいけないと思い立ったわたしは、カフェにでも行ってランチがてら課題をしようと外に出た。
電車に乗って何駅かすぎると、少し栄えた場所に着く。
その駅から近すぎず遠すぎない、歩いて八分ほどのカフェに入った。すぐに注文を済ませ、頼んだランチプレートが提供されるのを待つ。課題のレポートはそれが食べ終わったらやればいいやと、手持無沙汰なわたしは窓の外を眺める。
一人で行動するのは苦ではない。映画館に行くのもカラオケに行くのもできる。昔はよく兄が色んな所へ連れていってくれたけど、一人暮らしを始めてからそれもなくなって、もともと友だちの少ないわたしは一人で出かけることが更に増えた。現に大学の友だちはハユンしかいないし。
たった今頭に思い浮かべたその友だちが、たまたま見ていた向かいのショッピングモールから出てくる。その隣には、ついさっきの明け方までわたしと一緒にいた人。
見間違えだろうか。大げさに瞬きをしてからもう一度見てみるも、わたしの目に映るのはやっぱりドンヒョクさんとハユンだった。二人は笑みを浮かべて、楽しそうに何かを話しながら駅の方へ向かっていった。
どうして。そう思わず声が出てしまう。しかし、小さかったその声は、タイミングよく頼んだものを提供しに来た店員さんの「お待たせいたしましたー。オムライスのランチプレートでございまぁす」と爽やかな声に遮られた。
自分で作るのとは全然違う見た目の綺麗な卵を、スプーンで崩していく。
楽しみにしていたはずのオムライスは、なぜだか味がしなかった。
終わり
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kria1211(プロフ) - すごい続きが気になる🫣 (2月28日 16時) (
レス) id: 7d440c3a81 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12349号(プロフ) - 初めて占いツクールで一気に読み進めるくらいおもしろかったです😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 (11月18日 20時) (レス) @page25 id: fa94027d31 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - なさん» ありがとうございます！嬉しいです💖ぼちぼちやっていきますのでこれからもよろしくお願いいたします、、！ (9月22日 0時) (レス) @page21 id: c710896a18 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 更新嬉しいですありがとうございます🥲これからも楽しみにしてます🫶 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: d07f2ca0a8 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - あわあわさん» お久しぶりです！コメントありがとうございます〜！とっても嬉しいです！遅筆ですがぼちぼちやっていくのでこれからもぜひよろしくお願いいたします…！ (2022年9月22日 4時) (レス) id: a778b97762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kai | 作成日時：2020年4月19日 6時
