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けれどその葛藤も杞憂だったようで、ある日の帰り道。
わたしは大学から一駅という少し立地が悪いところに引っ越したから電車通学。そのため学校の最寄り駅で電車を待っていたとき、後ろから声をかけられた。
「Aさん」
「うわっ」
初めてその声で、名前を呼ばれた。
そんなびびんなくていいじゃん、と懐かしい笑い声。ドンヒョクさんだった。
ちゃんと面と向かって会うのは本当に久しぶりだったけれど、一方的に見ていたから知っている。覚えている。すぐに声をかけてきた相手が彼だとわかった。
「わたしのこと覚えてたんですか」
「もちろん。ていうかテイリヒョンに同じとこ進学したって聞いてた。逆に俺のこと覚えてたんだね」
「え？ 同じところ？」
「Aちゃんと俺、同じ大学。俺は二年だけど。知らなかった？」
「いや……、知らなかったです。びっくり」
テイリヒョン、そういうところあるからなぁ。と、のんきに笑っているドンヒョクさん。
理由は自分でもわからなかったけど、彼と同じ大学に進学したことは既に気づいていたのに嘘をついた。
それを誤魔化すために、あはは、という何とも言えない乾いた笑いが出る。それと、さっきはさんづけでわたしの名前を呼んだくせに次はちゃんづけしてきたことに、どきりとしたことも。
昔からこの人はこういう風に、ふとした瞬間にどきりとさせてくる。それは相変わらずだった。
ドンヒョクさんと、話してる。
全く想定していなかった状況に、緊張してしまい思わず後ろのほうで手を組んでしまった。
というより、どうして兄はわたしに何も言ってくれなかったんだろう。
そのまま流れで同じ電車に乗った。
帰宅ラッシュの少し前のこの時間は、混雑しているわけでもないが空いているわけでもない。座れる場所がなかったため、隣同士のつり革をつかんで、肩を並べた。
わたしがいたホームで鉢合わせるということは、同じ方向なんだろうなということはわかったけれど、最寄り駅がどこかまではわからない。ドンヒョクさんはどこに住んでるのかな、と考えながら、その疑問を口に出すことはないまま。
Aちゃんはどこに住んでるの？ だとか、自炊はする？ だとか。口下手なわたしが相手なのに、流石ドンヒョクさんというところか、会話に困ることはなかった。
そしてそのまま、気が付けば家の前まで送ってもらってて、そしてまた気が付けば、ドンヒョクさんはわたしの家にあがっていた。
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kria1211(プロフ) - すごい続きが気になる🫣 (2月28日 16時) (
レス) id: 7d440c3a81 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12349号(プロフ) - 初めて占いツクールで一気に読み進めるくらいおもしろかったです😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 (11月18日 20時) (レス) @page25 id: fa94027d31 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - なさん» ありがとうございます！嬉しいです💖ぼちぼちやっていきますのでこれからもよろしくお願いいたします、、！ (9月22日 0時) (レス) @page21 id: c710896a18 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 更新嬉しいですありがとうございます🥲これからも楽しみにしてます🫶 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: d07f2ca0a8 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - あわあわさん» お久しぶりです！コメントありがとうございます〜！とっても嬉しいです！遅筆ですがぼちぼちやっていくのでこれからもぜひよろしくお願いいたします…！ (2022年9月22日 4時) (レス) id: a778b97762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kai | 作成日時：2020年4月19日 6時
