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「あ、そっか……。ごめんなさい、ごはん、作れてなくて」
「俺が勝手に早く来ただけだから大丈夫」
「しかも買い物も行ってなくて、急いで行ってきます」
「いや、それもいいよ。今日は外食い行こ」
これもまた珍しいことで。今までわたしの部屋以外で時間を過ごしたことはない。突然の提案に戸惑っていると、「俺いまめっちゃ腹減ってるから、はやくいこ」と手を引かれて、わたしの足は今来た道を逆戻りする。
この人はこういう人だ。今みたいにさらっと手を繋いでしまう。いろいろ頭が追い付いていないけれど、手汗がぶわっと溢れた気がして手を引こうとした。それに気づいたのかドンヒョクさんはぎゅっと、さらに強く握るから、鼓動が速くなる。余計に手汗が気になった。
なんでそうやって手を繋いだりするのって、なんで今日は早く来たのって、聞きたいことはいっぱいある。でも聞く勇気もないし、いざ聞いてみたらこの曖昧な関係はどうなってしまうのだろうかと不安になってしまう。さぞかしモテるだろう彼は、恐らくそういう相手には困っていない。質問してしまったら最後、面倒がられて終わりだろう。
彼を好きになったからには、これ以上を求めてはいけないんだと思った。彼に近づきたいと望む人間はきっと何人もいるはずで、その中でこうやって時折わたしに構ってくれることなんて、奇跡といっても過言じゃない。もはやそこにありがたさを感じてもいいかもしれない。
さっきの会話でだって、毎週金曜日にわたしと過ごすのが、ドンヒョクさんの中でもあたりまえになっているから出てきたであろう“いつもより”という言葉。そういう細かいところでもいちいちわたしを喜ばせていることを、彼は気づいているだろうか。
「ここのキムチチゲ、まぁじでうまいの」と言われて入った彼のおすすめのお店。
食事するときに手を繋いだままの人なんてほぼいないだろう。離されるのは当たり前なのに。さっきまで余裕ぶって手汗を気にしていたくせに、入店と同時に離された手がもうすでに寂しい。
俺はキムチチゲにするけど、Aは？ と聞かれた。彼の好きな味を覚えたいし、彼の好きなものは気になるに決まっている。わたしも同じので、と答えると彼が店員さんに注文してくれた。
少し待っているとすぐに提供されたキムチチゲは、本当に美味しかった。何度も食べたくなる気持ちも十分に理解できる。
また来たいな。できれば、ドンヒョクさんと一緒に。
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kria1211(プロフ) - すごい続きが気になる🫣 (2月28日 16時) (
レス) id: 7d440c3a81 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12349号(プロフ) - 初めて占いツクールで一気に読み進めるくらいおもしろかったです😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 (11月18日 20時) (レス) @page25 id: fa94027d31 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - なさん» ありがとうございます！嬉しいです💖ぼちぼちやっていきますのでこれからもよろしくお願いいたします、、！ (9月22日 0時) (レス) @page21 id: c710896a18 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 更新嬉しいですありがとうございます🥲これからも楽しみにしてます🫶 (9月21日 22時) (レス) @page15 id: d07f2ca0a8 (このIDを非表示/違反報告)
kai(プロフ) - あわあわさん» お久しぶりです！コメントありがとうございます〜！とっても嬉しいです！遅筆ですがぼちぼちやっていくのでこれからもぜひよろしくお願いいたします…！ (2022年9月22日 4時) (レス) id: a778b97762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kai | 作成日時：2020年4月19日 6時
