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綿菓子を手に灯りで瞬間照らされる錦戸くんの顔を見つめて
一生消せない、
いや、消さない。
綿菓子を食べ終わる前に終わってしまった
流れていく人の波を目の前に
煙たい空に、ふうっと風を送る
届かないと知っていながらも
風を送るのは、少しだけ名残惜しいから
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「私もう少し、錦戸くんと一緒にいたいな」
沢山の人が話す声
行き交うざわめきで聞こえない私の声
「え？」
って少し調子の違う声が聞こえて
表情が見えない闇に心も暗くなって
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「それは私が貴方を好きだからだよ」
少し大きな声でいっても聞こえるはずなくて
夏が終わるとこの恋も終わってしまうんじゃないかって
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でもなんだか私はもっと貴方のことが好きになりそうで
横をみると、
聞こえてないんだな、って
嘘でも聞こえてほしかったな
不思議な強がりと、少しの弱がりは
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私の欠点に等しくて、
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作者名：うにくん | 作成日時：2017年7月12日 2時
