55 ページ6
.
「嫌いになんてなれるわけないやん」
「でも、私…」
.
.
「逆に聞くけどさ、すぐ嫌いになれる？
長い間、ずっと好きやったんやで？
俺そんな軽い思いで好きになってへんよ」
.
真っ直ぐ思いを伝えられても
応えられないのが弱さで
私は、私を好きでいてくれた人を傷つけている
今でさえもずっと傷をつけ続けている
朝からの幸せは裏腹
横山の幸せを壊してしまったんだ
.
「私ね。
横山の気持ちにはやっぱり応えられない。」
.
「ですよね」
「でもね、嬉しいよ。」
好意を伝えられるのって普通に嬉しい
嬉しいけど
違うね
.
.
やっぱり私には先生しかいないんだなって
心の中で思って
教室に入る
.
きっとほかに誰か来るまで横山は教室に入ってこないんだろうな
逆に入ってきたら
付き合ってやるよ！
みたいな笑えないジョークを脳内整理する
深呼吸をして
前を向くと見飽きた黒板
数学の先生の視線が怖かったな
大好きな先生が教室で授業してくれたらいいのになんて
窓の外を見ながら思っていた日々
.
終わってしまうんだな
そんな日々が過ぎていることに
悲しくなっていると
ガラッと開く教室のドア
あ、これが横山なら
笑えないジョークだよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うにくん | 作成日時：2017年3月26日 2時
