【完】ふりむいてパープル【d!】【shp】

た ページ8

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「お？なんやショッピ彼女か！」
「……コネシマさん。ちゃいますよ」
「あれ？そうなん？」


色んな意味で有名なコネシマ先輩が、水道で顔を洗っていたのか肩にかけたタオルで顔を拭いながらこちらを見ている。うわ初めてこんな近くで見た、まじで水も滴る良い男。不思議そうにまるく見開かれたマリンブルーの目がわたしを捕らえた。


『ショッピくんと情報委員でペアやってるAです』
「おおそーかそーか！俺は捏島や、よろしくな」
『知ってます、有名人なんで』
「俺が？なんで？」
『イケメンでスタイルよくてサッカー部エースで声がハチャメチャにでかいので』


そう言うと、コネシマ先輩が特徴的な声で高らかに笑う。確かに声はでかいわ、ごめんな！なんて笑顔を向けるコネシマ先輩に、そりゃ女子みんな好きになるわと納得した。きらきらと眩しいオーラを纏うコネシマ先輩を、ショッピくんは心底鬱陶しそうに見ている。ショッピくんも実はめちゃくちゃ整った目鼻立ちだけど、どちらかと言うと塩顔で、派手なコネシマ先輩と並んでいるとまさに陰と陽といった感じだ。


「あれ？でも今日委員会とかあったっけ？」
「今日はたまたま数学の補習が一緒やったんすよ」
「あー！テストの日に体調崩した言うてたもんな！ほなAさんも休んでたん？」
『いや普通に赤点でした』


ええやんええやん！とまた高らかに笑うコネシマ先輩。何もいいことはないけども。ひとしきり笑い終えたらしいコネシマ先輩は、満足したのかショッピくんにはよ着替えて来ぃやと言いながら爽やかに走り去っていった。嵐みたいな人だな。


「……あんたでもコネシマさんイケメンやとか思うんやな。そういうの興味ないんかと思ってた」
『え？なんで？普通に眼福じゃん。コネシマ先輩は陽のイケメンで、ショッピくんは陰のイケメンって感じだよね』
「はっ？」
『えっ？』
「……いや、あー……コネシマさんうるさいしそろそろ部活行くわ」
『？うん、行ってらっしゃーい』


いつかのように軽く会釈をして去っていったショッピくんは、むず痒そうな、微妙な顔をしていた。陰ってあんまりいい気分じゃなかったかな。


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