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「どうやったん」
朝、今日は遅刻を免れたらしいチーノが席に着くなりにやにやとこちらへ嫌な笑みを浮かべて言う。それが委員会のことだというのはさすがのわたしもすぐに気づいた。
『ペアの人ショッピくんだった』
「え!まじで?」
『塩戸くんでしょ?』
「そうそう!何か話した?」
『色々。塩戸くんてバイク好きなんだってね』
チーノは自分できいたくせにショッピと喋ったん!?なんて驚いていた。やっぱ普段あんま喋らない人なんだ、申し訳ないことしたかも、なんて、いやほんとは全然思ってないけど。
『話しかけるなオーラ無視して死ぬほど喋ってやった』
「絶対苦手や思われてんでおまえ」
『そんな雰囲気も無視してこれからも話しかけ続けるよわたしは』
「メンタルつよ」
でもショッピがバイクの話までするなんて意外やわ、とチーノが紙パックのジュースを啜る。うわココア飲みたくなってきたな。
『ちょっと自販機行ってくる』
「んー」
スマホを見たままひらひらと手を振るチーノを横目に自販機へ向かう。いちごミルクもありな気がしてきたな、と自販機前でうんうん唸っていたら、後ろから想定外の人に声をかけられた。
「ひとりでも賑やかなんすね」
『塩戸くんじゃんおはよ!』
「はよっす」
『ねえココアといちごミルクどっちがいいと思う?』
「えー……ココアっすかね」
ココアね、とパックジュースふたつ分のお金を入れて、ココアといちごミルクのボタンを押す。パコンポコンと間抜けな音を立てて落ちてきたそれらを手に取って、ココアを塩戸くんに差し出した。
「え」
『お近付きのしるしにあげる』
「……あざす」
『うん。じゃまた木曜日ね』
受け取ったココアを見つめて何とも言えない顔をしている塩戸くんを置いて、わたしはさっさと教室に戻った。ココアきらいだったかな。まあ飲めないなら友達にでもあげてくれたらいいや。
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馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん!こちらこそたくさんの嬉しいお言葉、感無量すぎます!本当ですか笑 ありがとうございます楽しみにしてますわたしも大好きです!!! (2月12日 19時) (レス) id: 26dcf45128 (このIDを非表示/違反報告)
箱の湯(プロフ) - 馬場さん» ゥオ!!まさか返信を頂けるとは思っておらず...!まさかすぎて感無量ですねエハイ!!!にしても馬場さんが描く新人組は健康にイイなア...。いつかライフラインの横に「馬場さんのイラスト」の項目を追加しますネ!!!!楽しみにしてて下さい!!!大好きです!!!! (2月10日 20時) (レス) id: 23839ce7d7 (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - shiyuさん» shiyuさん、コメントありがとうございます!どストライク……!?嬉しすぎます!こちらこそ読んでくださってありがとうございました! (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん、コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいンですケド…!最後までお読みいただきありがとうございました! (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - 久々にこんなにどストライクな小説に出会えました。ありがとうございます。 (2月8日 21時) (レス) @page30 id: 199c730010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:馬場 | 作成日時:2024年1月19日 21時