か ページ26
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「どしたん？怪我？」
水道で傷口を洗い流してたら、追いかけてきたらしいチーノが声をかけてきた。呑気な声、まあわざとなんやろうけど。顔も上げずにカッターでやってもた、と言ったら、ふうんと興味なさそうに隣でしわしわの湿布を伸ばし始める。湿布、てかなんでしわしわ？と思わず凝視してたら、気づいたチーノが体操着の袖をまくって赤く腫れた肩を見せた。
「壁に激突した」
「……あほなん？」
なるほどこいつはこれのために保健室におったんか。湿布がしわしわな理由はわからんままやけど。そういえば2人とも体操着やったし、ていうか体育って男女別やし、そもそもAは保健委員じゃなくて情報委員やし、一緒に来たわけないよな。そんなことも考えられへんくらい、俺は動揺してたんか。
「Aは？」
「ん？」
「……Aは、なんで保健室おったん」
「さあ。聞いたらええやん、絆創膏取りに来たんやろ？Aまだ保健室おるんちゃう」
その言葉に思わず合わせてしまった視線は、想像してたよりずっと真面目な色をしていて、耐えきれずまたそらしてしまう。
「……別にそんなんちゃうし」
「血止まってへんしちょうどええやん」
「そんなんちゃうって」
「そんなん、って何？」
ぺた、と諦めたらしくまだしわしわの湿布を肩に貼るのが視界の端に映った。
「おまえの言うそんなんがどんなんか知らんけど、俺とAはそんなんちゃうで。Aのこと見てたらわかるやろ」
まあ俺に譲ってくれるんならそれでええけど。そう言ったチーノは、ぱたぱたとかかとを踏み潰した上履きを鳴らして階段のほうへ姿を消した。あいつ屋上でサボる気やな。しばらく意味もなく水道の前で突っ立って、血が止まらんから、とやっと戻った保健室に、もうAの姿はなかった。現実は、ドラマのようにはいかへんらしい。
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馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん！こちらこそたくさんの嬉しいお言葉、感無量すぎます！本当ですか笑 ありがとうございます楽しみにしてますわたしも大好きです！！！ (2月12日 19時) (
レス) id: 26dcf45128 (このIDを非表示/違反報告)
箱の湯(プロフ) - 馬場さん» ゥオ！！まさか返信を頂けるとは思っておらず...！まさかすぎて感無量ですねエハイ！！！にしても馬場さんが描く新人組は健康にイイなア...。いつかライフラインの横に「馬場さんのイラスト」の項目を追加しますネ！！！！楽しみにしてて下さい！！！大好きです！！！！ (2月10日 20時) (レス) id: 23839ce7d7 (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - shiyuさん» shiyuさん、コメントありがとうございます！どストライク……！？嬉しすぎます！こちらこそ読んでくださってありがとうございました！ (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいンですケド…！最後までお読みいただきありがとうございました！ (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - 久々にこんなにどストライクな小説に出会えました。ありがとうございます。 (2月8日 21時) (レス) @page30 id: 199c730010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬場 | 作成日時：2024年1月19日 21時
