し ページ24
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『おはよ、早いね』
「おはよう。そっちもな」
『楽しみすぎて』
「ふは、俺も」
自然な素直さが可愛らしくて思わずまた吹き出したのは、水族館行く日、待ち合わせ15分前の改札を出たところ。自分で言うのもなんやけど俺は素直とはかけ離れた性格やと自負しとるのに、つられてそんなことを口走ったのは内心驚いた。なんやかんや、俺はこの短期間でこいつにかなり影響を受けているのかもしれへん。
「あの魚Aに似てる」
『どれか分かんないけどバカにされてるのは分かる』
自分で思うよりもテンションが上がっていたらしい。鮮やかなフリルのような鰭をさらさらと揺らして泳ぐ小さな魚を指さす俺に、Aが少し不満そうにしてからすぐまた口角を上げて水槽を見つめるのを、なんかデートみたいやな、と思ったりした。似てるってのは見た目の話じゃなくて、そいつが、同じような華やかな見た目のやつらと群れをなしていたかと思えば、ふいと逸れて自分より大きかったりいかつかったり陰に隠れたりしてる魚にも物怖じせず気まぐれにひらひらと戯れる様子が、なんかAっぽいなと思っただけ。
「あ、A」
『ん？』
「誘ってくれてありがとう」
『……うん！じゃあね』
「ん、また明日」
水族館をあとにして飯も食って、別れ際、電車の窓越しに嬉しそうに笑いながら手を振るAに、勝手に口角が上がるのが分かる。また明日とか、委員会もないしクラスも離れとんのに何を口走っとんねん、なんて内心自分につっこみながら、でもまあ廊下とか売店で会えたらええな、なんて、いつもなら死ぬほど嫌いな月曜日が少しだけ楽しみになった。＿＿＿けど。
「さすがにあんな静かな感じの人は好きになんないかー」
『バカじゃんまじ、てかショッピくんに失礼だからね』
「あんたとタイプ違いすぎるもんね。どっちかっていうとチーノのほうがお似合いかも」
朝練終わりたまたま靴箱で会ったAと軽く挨拶を交わしたあと、先に教室へ向かったAを追いかけて肩を叩く女子がおった。知らんけどたぶん友達なんやろう、テンポよく交わされるそいつとAの会話に、現実に引き戻された気がした。すっと心が冷えていく感覚。確かにそうや、そもそも俺とAが今こうして話す仲なのはたまたま委員会でペアになったから。Aが沈黙に耐えられへんタイプなのは何となくわかるし、別にペアが俺でなくても、きっと自慢のコミュニケーション能力で関わりを持ったんやろう。
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馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん！こちらこそたくさんの嬉しいお言葉、感無量すぎます！本当ですか笑 ありがとうございます楽しみにしてますわたしも大好きです！！！ (2月12日 19時) (
レス) id: 26dcf45128 (このIDを非表示/違反報告)
箱の湯(プロフ) - 馬場さん» ゥオ！！まさか返信を頂けるとは思っておらず...！まさかすぎて感無量ですねエハイ！！！にしても馬場さんが描く新人組は健康にイイなア...。いつかライフラインの横に「馬場さんのイラスト」の項目を追加しますネ！！！！楽しみにしてて下さい！！！大好きです！！！！ (2月10日 20時) (レス) id: 23839ce7d7 (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - shiyuさん» shiyuさん、コメントありがとうございます！どストライク……！？嬉しすぎます！こちらこそ読んでくださってありがとうございました！ (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
馬場(プロフ) - 箱の湯さん» 箱の湯さん、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいンですケド…！最後までお読みいただきありがとうございました！ (2月10日 18時) (レス) id: be3a9a489c (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - 久々にこんなにどストライクな小説に出会えました。ありがとうございます。 (2月8日 21時) (レス) @page30 id: 199c730010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馬場 | 作成日時：2024年1月19日 21時
