【完】ふりむいてパープル【d!】【shp】

ク ページ11

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今日は18:00まで利用者がいて、手持ち無沙汰だったわたしたちの絵しりとりはルーズリーフの裏面までびっしりの力作となった。わたしの画力が足りないのかショッピくんの想像力が足りないのかは迷宮入りだ。誰が何と言おうと迷宮入りです、ええ。やっと最後の生徒の貸出カードを受け取り終えて、忘れ物がないかとパソコンの電源が落ちているかを確認してからわたしたちも外に出る。


『鍵わたしが返すよ』
「いや俺も行くわ。てかさっきの話の続きは？」
『あ、忘れてた』


2人で職員室へ向かいながら、すう、とちょっと多めに息を吸った。大丈夫、別に、緊張することとか何もないし、うん、チケット無駄になっちゃったらもったいないし、だから、可能性のある人を誘うだけ、だし、どうせなら水族館が好きな人を誘いたいし。


『ショッピくんさあ、今週の日曜日って部活？』
「確かその日は部活ないけど」
『ほ、ほんと！？あ、その……よかったらなんだけど、いや、別にもちろん断ってくれてもいいんだけど、水族館とか行かない？』
「水族館？」
『うん、親に2枚チケット貰って、その期限が日曜日までで、』


その、友達もね、誘ったんだけど、みんな部活とかバイトあって、チーノもね、無理らしくて、だから、ほんとに、もし行けたらなんだけど。なんて無駄に言い訳を並べるわたしに、ショッピくんが我慢できないみたいに小さく吹き出した。


「そんな気使わんでも。俺でよかったら行くで、水族館好きやし」
『えっ、あ、ほんとに？』
「うん」
『そ、か。じゃあ、うん、明々後日、よろしく』


はいはい、とまた小さく笑うショッピくんをなんとなく直視できなくて、慌てて前を向いてきゅっと唇を結ぶ。日曜日に、ショッピくんと、2人で、水族館。そんなの、デートみたいじゃん。……なんか、あーどうしよ、……嬉しい、かも、とか、思っちゃったりしてる。


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