限界。 ページ20
ちょっと笑いがおさまって。
だけどギュッてしてるのはそのままで。
どう……すればいいかしら？私は別にこのままでも？
石になっても……二人だったらいいよ☆
なんちゃって！ナンチャッテ！
……翔、やけに静かだな。
私はどうしたって……こう……ね？
この後の展開をあれこれ考えてしまう、というか。
だって、そういうことなのよね？ね？
気持ちが通じ合いましたー！みたいな？状況なのよね？
だったらほら。あるじゃん、色々と！
え。ちょっと待って、私……今日どんなパンツだ？
いやいやいや。万が一があるよ？これ。本当に、あるかもしれないよ？
どどどどど……うしよう？
そうだよ。だって、そういうことでしょうよ。
……どうしよう。
帝王なのかな、あっちもやっぱり……。
「……やっべ。限界」
「っ！へへいっ！」
「ふ、なんなんだその返事。あー、やべ。一瞬寝てた」
「寝て……」
欠伸したわ！体、離されたわ！
「マジ寝る。もう限界」
……限界。そっち、っすか？
大欠伸しながら、ふらふら〜とどっか行ってしまうけども？
あぁ寝室だね。行っちゃったよね。一人で……
シンと静まる無駄に広いリビングにひとり。ポツンと残された私。
どうするよ、これ。やっぱり玄関で寝ろってこと？
まさか！この甘さの流れでそんなオチが来るわけ……
そうよそうよ！
“おまえも早く来いよ〜”とか。きっとあるよ！
「……」
そわそわ。しばらくソファで待ってみたけど。
何も来やしない。
意を決して恐る恐る寝室を覗いてみたら。
「ガチか！」
いびきかいてる。本当に寝てるし！
口開けて無防備に寝る姿をしばらく眺めたら、
なんかわかんないけど、無性に腹が立ってきた。
「せめてハワイユーくらい……さぁ。バカ」
ひとりで浮かれてさ。いっぱい期待し過ぎたじゃん。
ううん……実際いきなりああだこうだなるとか、絶対無理だけど！
でも顔のどっかにチューくらい、したかったなー……なんて。
でも、そう。全部私のせい。
翔をことごとく振り回したのは私で。
いっぱい無理させたよね、スケジュールとか。
ごめんね、毎度のことながら。
「襲いませんから！お邪魔しまー……っす」
小声でお伝えしながら、そーっと隣に入り込んでみた。
……あったかい。
そしたら翔がタイミングよく、こっちに寝返りをうって。
あ。やばいこれ……眠れないかも。
超至近距離で見る寝顔に、ドキドキしっぱなしだった。
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作者名：みつな | 作者ホームページ：
作成日時：2015年11月30日 23時
