頭突きくらう。 ページ18
「じゃ。そういうことで。よし、寝る」
「っへ？」
「ほんっとおまえと居ると予定がことごとく狂わされるわ。あー寝よ寝よ」
うっそ！どこまでも置いてきぼり感満載なんだけど！
なにさ？自分は言いたいこと言ってスッキリ☆みたいな態度だけど！
あんたの老後についてはよく分かったけど。っていうか……どっかで聞いたことあるし、分かってたけど。
それこそ今、そこじゃなくない？そこまで行かなくてもよくない？
なんかすごく嬉しいけど。嬉しいけどちょっと……違わない？
「ちょちょちょ！待っ、」
「んだよ」
離された手……今度は逆に咄嗟にその腕を掴んでた。
立ち上がった翔に持って行かれて、そのままソファから滑り落ちた私を、再び見下ろしていて。
「いや……なんでも……ないっす」
ソッコー萎縮して声が小さくなった。だって、石にされたくないっす。
「ぶはっ！んだよマジで。言えよ」
「……わかんない」
「何が」
「だから！結局あんたは何が言いたいのさ！」
「……はぁ〜？今、思いっきり説明したよな？予定よりもだいぶ時間繰り上げて話したぞ、俺は。おまえも返事してたよな？なんだっけ、よくわかんねーけど言ってたよな？」
「いや、えーと？なんか流されたというか、相槌うつしかなかったというか……」
「……おまえ……ふざっけんなよ」
「ひぃっ！」
怖い怖い怖い。石にされる！本気で！
視線がばっちり合ってるもん！めちゃくちゃ見られてる！
え……？見られて……あれ？翔、立ってなかったっけ……？
「だからもう……つまり、全部忘れろ。俺が居てやるから」
「ほ？……忘れ……？」
「っつーか二度とそいつに隙を見せるな、嫌でも近いんだから。おいっ！聞いてんの？わかったか！」
「イ！テッ！今？頭突きとか、今しなくてもよくないっ？」
「……マジで……危なっかしいわ……」
……ん？
頭突きだと思ったそれは、何やら様子が違ってて。
おでこに当たった翔の頭が、なかなか離れないというか。
……近い。近いよ？息！……息！！
「あー！もう！」
「っ、ぇ……」
3回目？これ。
絶対イライラしてんのに……なぜかギューされてるという。
そういう奴なのか。ショウサクライは、イラつきながら抱き着く趣味があるのか。
「ほんっと嫌だ、おまえ。調子狂う」
だって。ほらまた……
どうせ私ばっかり……ドキドキが、うるさくなる。
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作者名：みつな | 作者ホームページ：
作成日時：2015年11月30日 23時
