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38枚目 シンプルイズベスト ページ38

幹部達の乗ってる馬車が止まる。さっきまで馬鹿話をしていた男たちは一瞬口を止め、また再開する。

が、先程の緩んた空気は消え失せた。全員軽口をたたきながらも目の色を変える。

全員が馬車から降り、後続の馬車に目を向ける。自分たちの頭が選んだ女、異世界から来たと嘘か本当かわからない、掴み所のない女が乗ってる馬車に。

「どう変わってるんやろ」
「判らんわ、楽しみやわぁ」
「節操ないな大先生」
「そんなんあったら今頃結婚しとるわ俺」

かたり、と靴の音。後ろの馬車から出てくるのは、まず自分たちの仲間だ。外交官は前と後ろを見ながらも、中にいるもう一人に手を貸しつつ降りてくる。

中にいるもう一人も、つれて降りてきた。




息を呑むとはまさにこのことで


目を引くともまさにこのことだった





舞踏会など飽きるほど行き、そこで美しい女もたくさん見てきた。その彼らが、だ。

髪型はウェーブをかけ前髪ごと右にかきあげてる。可愛らしい、というより凛々しさが滲み出ている。

ドレス。首元は大きく開き、肩はキャミソールのような肩紐で繋いでいる。左胸には大きなリボン。フリルスカートで、腰のラインがくっきりと現れてる。光沢が艶かしく光る。

余計な装飾品はない。余計な色もない。ただ一色のみでそのドレスは完成されてた。

シンプルなゆえに、息を呑み

それを着こなす人間に、それを選んだ人間に目を引いた。

あぁその色は

「灰色のドレス、か」
『おめーの瞳の色、きれいだろ』

赤いリップでにこりと笑う。唯一華やかさを担う唇が妖艶を演出していて。

「あぁ全く、綺麗だな」

グルッペンは彼女の手を取る。

『はは、今日だけな』

彼女はグルッペンの手を受け入れる。

この間にあるのは愛や恋など不確定なものではない


契約と義務、権利と信頼。長年連れ添った友人のように、彼らは腕を組み、足を鳴らす。


『さぁて、行くかぁ』

39枚目 表情筋はボディビルダー並(理想)→←37枚目 着て飾るのは服だけではなく



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ねこ娘(プロフ) - うあ〜〜とても面白いです泣いてしまう…正論しか述べない主人公とても好感が持てます、こんな大人になりたかった……主人公を攫ったのが日常組だとわかった時のなんとも言えない笑みの溢れる感覚、素晴らしかったです(マニアック)続きも楽しく読ませていただきます! (2021年1月18日 2時) (レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 会社の説明草 (2020年10月10日 18時) (レス) id: f170f9c90f (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ。(プロフ) - まじむりですすきです (2020年8月26日 16時) (レス) id: 060862f232 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@str48&変人系カップル(プロフ) - めっちゃ...好きです。 (2020年8月13日 3時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - 続き待ってます!無理しない程度に頑張ってください! (2020年7月22日 0時) (レス) id: 93c05af962 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧月 | 作成日時:2020年3月26日 12時

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