12枚目 激風が吹き荒れる ページ12
何もやることがなさすぎて死にそう。死ぬかもしれない。暇ってこんなに暇なのか(？)
『・・うろちょろするのもなぁ』
大人しく部屋にひきこもってたほうが身のためだ。ってのは分かってるんだが暇潰すものがない。
本が読めないってきついな。
とんとん
『・・・あ？私の部屋？』
使用人の方だろうか。どうぞと声をかけるも返答なし。ドアが開けられないのか。
ドアが開けられないっておかしくない？
たとえ荷物をたくさん持ってたとしても、せめて一声出るはずだ。
『・・・』
背中をドアに預け、ドアノブから遠い手でゆっくりと開ける。
「えらい用心深いやんけ」
その声は
後ろから。
『は？』
振り返った瞬間、窓から風が吹き荒れる。
視界の端に伸びる黒い影、それが手だと認識する前に体を屈めて避ける。が
『がっ、ぁ・・・！！』
「残念」
楽しそうに愉快に笑う男の膝が私の腹部へとめり込み、腹を抑えて蹲る。酸っぱい液が口内を巡る。
「考えと反射神経はええけど、まだまだ実践不足って感じやな」
男はしゃがんで髪を捕み、無理やり顔を上げる。てめぇ顔覚えたかんな絶対仕返ししてやる。
フードの男。緑色で、ギザ歯がちらりと見える。
「なんやえっらい音したけど」
ドアには前髪の長い眼鏡の男。驚き方から見て、彼らは結託してた訳じゃないのか。
運が良すぎて悪すぎる。
「って、なにしてんゾムさん！？」
「おーやっぱ大先生やったか」
知り合いか。見たところ使用人ではなさそうだし、かといって侵入者でもないだろう。
どこの侵入者が部屋をノックするよ。
「いやな、俺が手ぇ伸ばしたら避けたんよ。やから反射的に膝が飛んだ」
「反射的に膝が飛ぶって何？」
もっと言え前髪男。そんなに前髪が長いから眼鏡なんだぞ。
「離してやりなよ、グルちゃん言っとったやん、普通の子って」
「普通の人間ねぇ」
おもちゃを見つけたような瞳をこちらに向けるんじゃねぇ潰すぞゴラ。
社畜の根性なめんなよ。
『なんの、よう』
「お、喋った！」
「そら喋りますわ。」
前髪の男がフードの男の隣に座る。ほんの一瞬、フードの男は嫌そうな顔をし
「今日も臭いな大先生」
「臭くー・・・あぁ、すまん臭かったわ」
反論しろよ。別に異臭はしないと思うが。かすかにタバコの匂いがするだけで。
「せや、何のようって聞いてたな」
『・・・』
「なぁお前、人間か？」
『お前よりかは』
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ねこ娘(プロフ) - うあ〜〜とても面白いです泣いてしまう…正論しか述べない主人公とても好感が持てます、こんな大人になりたかった……主人公を攫ったのが日常組だとわかった時のなんとも言えない笑みの溢れる感覚、素晴らしかったです(マニアック)続きも楽しく読ませていただきます！ (2021年1月18日 2時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 会社の説明草 (2020年10月10日 18時) (レス) id: f170f9c90f (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ。(プロフ) - まじむりですすきです (2020年8月26日 16時) (レス) id: 060862f232 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。＠str48＆変人系カップル(プロフ) - めっちゃ...好きです。 (2020年8月13日 3時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - 続き待ってます！無理しない程度に頑張ってください！ (2020年7月22日 0時) (レス) id: 93c05af962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年3月26日 12時
