19個目 暖かい色が ページ19
『ねぇ、北の国でいつも何してるの？』
幼女の純粋な問だと思ったのか、彼は私と同じ目線にまでしゃがむ。優しいかよ。
「雑用を主に」
『なんか位とかある？』
「いえ、俺みたいのがそんな」
となるととっても都合がいい。
『名前は？』
「トントンといいます」
『トントンね』
『ねぇ、私に仕えてくれない？』
「・・・え？」
まぁ驚くよね。さて、仲間にするにはどうすればいいかなぁ。
『駄目？』
「そ、それは、俺の一存では決められないので」
つまり駄目とは言ってないと。
『わかった！ちょっと聞いてくるね！』
宰相辺りにねだればきっと大丈夫だろう！多分！お姫様のお願いくらい聞いてくれるだろう。
きびすを返すと、トントンに腕を掴まれる。
tn「待て待て待て！」
『うおっ』
tn「な、なんで」
なんでと言われても。私の本能がほしいといったから。なんていっても彼には通じないんだろうな。
tn「なんで、俺なんか」
さっきもちらっと言ってたが、まさか自己評価低い系男子かお前。
『それ、欲しいって言ってる私に失礼だとは思わない？』
北の国では自己評価は低くしろみたいな法律でもあんのか？ないだろ、無いのにこれってことは職場の環境だろうな。
『無理強いはしないよ。だけど』
手を振り払い、トントンの心臓に人差し指を立てる。
『私だったら、絶対にそんなことは言わせない』
過剰な自信も過度な謙虚もそいつの能力を封じ込める札みたいなものだ。だったら私がそれを剥す。
tn「・・・」
トントンはふと、窓の外へ目をやる。我が家自慢の庭を視界に入れる。
tn「こちらの国は、色彩豊かですね」
『北は？』
tn「あっちは白一色でー」
『んなわけないよ』
トントンと目が合うように、窓の縁に登る。
『だって綺麗な赤があるじゃん』
あれ、目よりも顔が赤くなってる。
「お転婆、何をしてらっしゃるのですか」
『おてんばって名前じゃないよ。グルッペン。』
それに戻ってくるタイミングが妙にいいね。深くは聞かないでおくけど。
『ねぇ、この人欲しいんだけど』
gr「構いませんよ」
tn「構いませんよ！？」
gr「私も欲しいと思ってたところだ。今掛け合ってるところです」
はい有能。
『んじゃ、トントンこれからー・・っと』
トントンは私の目の前に膝をつき頭を垂れる。私は窓の縁に座り、彼の言葉を待つ。
tn「・・不肖の身では御座いますが、このトントン、
貴方様に忠誠を誓い申し上げ、
御身の守護、誠心誠意勤めさせていただきます」
『やば、グルッペンより長い』
gr「なんか言いましたか？」
『何でもないでーす』
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あまね(プロフ) - この作品大好きですううううううううう (10月1日 21時) (
レス) @page20 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - 毒舌で芯のある女の子大好きです。一目惚れしました。マジカッコイイ。天才。 (2022年2月18日 20時) (レス) @page20 id: e16e3e06be (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 今までになかったこのクセがある作品が大好きですです。作者様の気が向くまで私たちはいつまでも待っていますよ。 (2021年9月27日 17時) (レス) @page20 id: 8f6e3156ea (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - 更新楽しみにしてます！ (2021年3月24日 13時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 主様の作品、私が思い描いていた通りのもので本当に楽しく読ませていただいております。無理せずに更新していただければ幸いです。これからの更新も楽しみにしております…!! (2021年3月18日 19時) (レス) id: d66a5d749d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年3月19日 22時
