12個目 共食だけど個食なんだから部屋で食わせろ ページ12
夕食。そう、家族団欒で過ごす夕食。家族団欒なんて一生縁のない言葉だが。
なのになぜかどうしてか、この家では夕食は家族全員で食べなければいけない。そう、家族全員だ。嫌だ。
何が嫌だって？聞いてた？家族全員で食べなきゃいけないんだよ。
お兄様とお姉様と一緒に食べたくないから？まぁそれもあるけどもう一人
いるだろ私を作るに当たって輸出を担当してる人間が。
父親。国王。
席順は国王が上座。そっから右左と年齢順。私は末席に位置するのでまぁ出口に近い。すぐ帰れる。帰らせろ。
ちなみに余談だが、毒がもられたときのために王族の後ろにはそれぞれの担当医師と、刺客が襲撃したときのために従者がひとり。
私の後ろには医者はもちろん医師のしんぺい神と、今回の従者はコネシマだ。
「ねぇ、キョウカ？そろそろあなたも婚約の相手を決めなさい」
話しかけてもないのに一個上の姉が声をかける。
『婚約自体は個人の自由でしょう。』
「だからって独り身で過ごす気？やめてよね」
『迷惑はかけていませんが』
「評判が落ちるのよ。」
何の評判だろう。大方嫁に出せない王女は何かしらの問題がある！なんて馬鹿げたものだとは思う。
「品位のある家系があれば誰でもいいわ。条件くらいだしたらどう」
『なら』
使ってないナイフを手に取り、コネシマに切っ先を向ける。
『最低限これくらい顔の良い人間にしてもらえますか』
「！」
いないだろこんなに顔がいい人間。コネシマ黙ってれば男前だからな。黙ってればの話なんだよ口を開くと風俗おじさんだから。
さて早く食べて部屋に戻ろう。
sp「早食いはデブの元ですよ」
『デブは誤差』
kn「何言うてはるんですか」
『私もわかんない』
最後のデザートを食べきると、大きく鼻で笑う音が聞こえる。
「がっつくな、見苦しい」
『顔面が見苦しいやつが何抜かしてんの』
おっとつい本音が出た。
「なんだと貴様！！」
『なんでもないです』
口を拭いて席を立つ。
「逃げるな！」
『お食事中に席を立たないほうがよろしいですよ。育ちがバレますから』
お兄様は顔を赤くし、他の兄弟はそれを見て笑ってる。喧嘩売らなきゃよかったのに。
やっと部屋に戻れる。
食堂のドアノブに手を触れる、瞬間
「まて」
ひんやりと伝わるドアノブの温度。それよりも冷え込む空気。発した声は一番遠い席のはずなのに、耳元で聞こえたような気がして背筋が凍る。
『・・・何でしょう、国王様』
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あまね(プロフ) - この作品大好きですううううううううう (10月1日 21時) (
レス) @page20 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - 毒舌で芯のある女の子大好きです。一目惚れしました。マジカッコイイ。天才。 (2022年2月18日 20時) (レス) @page20 id: e16e3e06be (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 今までになかったこのクセがある作品が大好きですです。作者様の気が向くまで私たちはいつまでも待っていますよ。 (2021年9月27日 17時) (レス) @page20 id: 8f6e3156ea (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - 更新楽しみにしてます！ (2021年3月24日 13時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 主様の作品、私が思い描いていた通りのもので本当に楽しく読ませていただいております。無理せずに更新していただければ幸いです。これからの更新も楽しみにしております…!! (2021年3月18日 19時) (レス) id: d66a5d749d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年3月19日 22時
