1発目 衝撃というには甘く、雷にしては鋭く（ut） ページ10
鬱先生がそこそこクズです
人を本気で殴ったことはありますか。
その答えに全員が首を横にかしげるだろう。
わざと、衝動的に、遊びで、など人を叩く理由は世の中に溢れかえっている。
だけど本気で？と言われれば言葉に詰まる人が多数だろう。
私？
殴ったことはある。しかも、本気で。
いつ？
今この瞬間だ。
場面を説明しよう。
浮気性の彼氏と別れたい。だが自分一人だと別れられないから来てほしい、という友達の要請を受託。
場所は昼前のファミレス。人の目があれば泣き崩れることはないと無理矢理笑顔を作る友人。
どんな彼氏なの？と話を聞くと、女にだらしないクズ人間ということが判明。
確かにこれは別れたほうがいい。しかも友人に想いを寄せる男がいるそうだ。そっちとくっつけばハッピーエンドだろう。いいぞいいぞ。
集合時間になり、私は友人と店内に入る。指定された机の場所に行けば
あぁいた。
仕事でもないのにスーツを着ているこの男。こちらに向かってへらりと笑いかける軽薄そうな男。
その隣には、金髪の男。顔が整っていて、瞳の色が空色だ。今日みたいな晴天の色。
ut「隣は・・友人さん？」
「うん」
ボックス席に腰を掛ける。私は友人らしき金髪の男と向かい合わせになる。会釈をすると、お前も大変そうやなと笑いかけられる。
「それでね、話っていうのは」
友人はゆっくりと、遠回しに、それでも確実にこの男と別れたいと突きつける。手のひらは膝に落ちていて、力強く握っている。
遠回しに、少しずつ少しずつ結論へと近づき、そして
「わ、わたしと、別れてくれないかな」
ut「え、俺ら付き合ってたん」
その言葉に席が絶対零度に引き下がる。金髪の彼は嘘やろとため息をつき、私の友人は口を大きく開けてる。
ut「そっかぁ。誤解させちゃった？ごめんごめん。」
言葉の中に謝罪の意味はない。いい慣れているのがすぐわかる。
「そ、そうだったんだっけ・・」
ut「だって君と寝たのやって月に2，3回やろ。ごめんなぁおれ君のこと彼女なんて思っとらんかったわ」
「あはは、ごめん。私こそ勘違いしちゃった」
友人は目に浮かぶ真珠隠すように前髪をいじる。
ut「新しい彼氏でもできたん？良かったな。お幸せに」
他人事のように話す彼の瞳には、友人のことなんて写ってないのだろう。
酷く淀んだ暗い青。
「う、うん」
ut「話はそれだけなん？んじゃ、コネシマ帰ろうぜ」
kn「お前ほんま最低な野郎やな」
ut「へ？」
何のこと？と薄く笑う男。金髪は尖り過ぎやと窘めるが、あまり効いてない。
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まうるもち - 好きです....文章が神.....いつの間にか読み終えていた不思議 (2019年10月7日 23時) (
レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 紫龍さん» 誤字ですごめんなさい！ご指摘ありがとうございます！ (2019年10月3日 6時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 碧月さん» 失礼します…knさんの2条目『後者裏』って『校舎裏』の事ですか？誤字とかじゃなかったらすみません！！ (2019年10月2日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - アルムさん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年9月29日 9時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - コメント失礼します！碧月さんの作った小説はやっぱ神ですね！途中で気づきましたがemさんの小説の六限目の２０行目の「…そらは愛おしさへと…」は「…それは愛おしさへと…」じゃないでしょうか？間違ってたらすみません！更新楽しみにしています。 (2019年9月29日 8時) (レス) id: 9866a4ca3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月17日 6時
