四課目 〃 ページ31
sha「今日もおらへんな」
時間が合わないことはたまにあったが、一週間も会えないとなると心配になる。
あの笑顔が頭から離れない。
歌声が耳に残って消えない。
「あれ、兄ちゃんどうしたんだ？」
ここらの漁師なのだろうか。初老が話しかけてくる。
sha「あー、えっと」
「最近よく来るやろ？ここらはひとこんから珍しくてな」
sha「はは」
自分の行いを振り返る。一週間連続で人気のない場所に訪れていたら流石に不審者だ。
あいつにも何か事情があるのかもしれへんし、しばらくは寄らないでおこうかと思案してると
「一週間前は女の悲鳴が聞こえとったし、ここらも治安悪いのかもなぁ」
sha「は？」
頭が真っ白になる。漁師の言葉が赤い言葉でぐるぐるぐるぐると回る。
sha「おい、どういうことや？」
「ん？なんかな、でかい車と大人が何人もここ往復しとってな。」
それ以外はわからん、と漁師は首をひねる。
sha「それ以外はって、他になんかねぇのか！？」
感情的になり漁師の肩をつかむ。目を丸くさせ、漁師から怯えの色が見える。
そんなことよりも、この焦燥感と不安感をなんとかしてくれ。胸の内のもやもやを誰か断ち切ってくれ。
sha「頼むよおっちゃん！俺、そいつが、そいつ・・！！」
「すまんが俺はそれ以外分かんねぇ！なんだ？その女の悲鳴って、あんたとなんの関係があるんだ？」
sha「それは」
声が出ない。
関係が、関係？
人間と、人魚で、教えてて、教えられてて、こっちにいて、向こうにいて。
出会って、出会われただけの。
？「何してん」
漁師の後ろから、見知った顔がひょっこり現れる。
sha「・・グルッ、ペン」
gr「カツアゲ、にしては随分深刻そうだな。」
sha「・・・っ」
何から話せばいい。この行動か？一週間前の事件か？何でここにいるかか？あいつのことか？俺のことか？
ぐちゃぐちゃに纏まらない頭。言葉が喉につっかえてうまく出ない。それでも、だけど
sha「たすけて、くれへんか・・・！！」
何をしたいかだけは、はっきりとしている。
gr「分かった」
我が盟友は、何かとを聞かず、何がとを質問せず、ただ頷く。
gr「必ず助けよう。」
それが今、何よりも心強い。
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まうるもち - 好きです....文章が神.....いつの間にか読み終えていた不思議 (2019年10月7日 23時) (
レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 紫龍さん» 誤字ですごめんなさい！ご指摘ありがとうございます！ (2019年10月3日 6時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 碧月さん» 失礼します…knさんの2条目『後者裏』って『校舎裏』の事ですか？誤字とかじゃなかったらすみません！！ (2019年10月2日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - アルムさん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年9月29日 9時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - コメント失礼します！碧月さんの作った小説はやっぱ神ですね！途中で気づきましたがemさんの小説の六限目の２０行目の「…そらは愛おしさへと…」は「…それは愛おしさへと…」じゃないでしょうか？間違ってたらすみません！更新楽しみにしています。 (2019年9月29日 8時) (レス) id: 9866a4ca3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月17日 6時
