1個目 食害と社畜と（zm） ページ1
「それじゃ！よろしく！」
千鳥足で赤く染まった顔はタクシーに運ばれる。
『・・は？』
いつも以上に機嫌がいいところ大変恐縮ではございますが死ね。
zm「・・んむ・」
『ｱｯ、やめてずれないで！』
肩の荷物は眠いのか、身動ぐ。体格差があるなか支えられているのはひとえに私の類まれなるバランス力と精神力だ。
なんで私は泥酔した同僚に肩を貸してるんだろう。
少し時計の針を逆に回してみよう。
事の始まりは部長のつるの一言
「今日は機嫌がいいから奢るぞ！」
社員たちは喜んでいたが、集団行動が嫌いな私にとっては苦痛この上極まりない。抜け出せないかなと案を巡らせたが、同僚の手によって引きずり出された。同僚いわく
「アンタもう少し社員と関わりなさい！この際だから出会いも求めな！」
お母さんかな？
私を引っ張ってきた同僚は無責任にも別の席に行ってしまう。私は端っこに座りちびちびと酒を飲みながら料理をつまんでいる。これだったら一人で飲んでる方がマシだな。騒がしい。
？「ちぃぃぃっす！」
明るく陽気な声に横を見ると、前髪の長い男性が私の隣に座る。あぁ、えっと
？「キョウカさん、こんなところで何しとるん」
『ゾムさん』
関西弁と軽い挨拶が特徴の彼は、私に名前を呼ばれたのがびっくりしたのだろう。ちょっと肩が跳ねる。
zm「お、俺のことわかるん」
『そら、同僚のことは覚えてますよ』
zm「絶対人の名前覚えられん人かと思った」
『失礼ですね』
人と関わらないだけで、人に興味がないわけじゃない。人間観察はする方だ。
あ？根暗？今夜お前の家の鍵開けとけよ。窓を割られたくはないだろ。
zm「向こう騒がしいねん。こっちいていい？」
コテンあざとい音をさせて首を傾げる。構いませんよと言えば彼はぱあっと明るい笑顔を見せる。
ゾムさんは人付き合いは上手な方だと思っていたが、彼もまた、私のように騒がしいのは好きじゃないのか。
『・・良く食べますね』
他愛のない会話をしている間に、私の目の前の食べ物が全て消え去っていた。幻術か？
zm「あ、ごめん。キョウカさんも食べるよな」
『いえ、私はそこまで・・』
zm「ほらこれとか上手いで。あーん」
自分の箸を掴み目の前のものをつかむ。箸の使い方上手だな。
『・・じゃあ』
髪を耳にかけて、遠慮なく口に含む。たしかに美味しい。
zm「んふふ、上手いやろ」
『美味しいです』
まるで小さな子どもが鳥に餌をやっているかのように、また別の食べ物を箸でつかむ。
ねぇこれエンドレスとかじゃないよね？
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まうるもち - 好きです....文章が神.....いつの間にか読み終えていた不思議 (2019年10月7日 23時) (
レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 紫龍さん» 誤字ですごめんなさい！ご指摘ありがとうございます！ (2019年10月3日 6時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 碧月さん» 失礼します…knさんの2条目『後者裏』って『校舎裏』の事ですか？誤字とかじゃなかったらすみません！！ (2019年10月2日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - アルムさん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年9月29日 9時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - コメント失礼します！碧月さんの作った小説はやっぱ神ですね！途中で気づきましたがemさんの小説の六限目の２０行目の「…そらは愛おしさへと…」は「…それは愛おしさへと…」じゃないでしょうか？間違ってたらすみません！更新楽しみにしています。 (2019年9月29日 8時) (レス) id: 9866a4ca3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月17日 6時
