2話目 〃 ページ14
[怖くないのか]
『いや別に・・アッッッッ貞子さん!貞子さんじゃないですか!そんなテレビの画面にいないでどうぞこちらに!座布団だしますね!』
ごめん前の家のだから出てきにくいよね。床についてる手をつかみ、現世に出そうと引っ張る。
冷たい手だなと思ってると、驚いたのかびくっと体を揺らして手を振り払い井戸の中に戻ってしまう。
写真撮りたかったんだが・・お触りNGだったか。
『チッ』
[・・・]
引かれてる気がして蝋燭の輪の中に戻る。青行燈は私に手を差し伸べる。
[お前のような人間を探していた。こちらに来い]
【速報】青行燈先輩に勧誘されたンゴwwwwwwww
このスレ貼れば伝説に残る気がする。あとで貼ろう。
『どこに??』
[お前らが言う、あの世の世界だ]
『死ぬやんけ』
[いいや、人間じゃなくなるだけだ。寧ろ死なない]
死なないなら人間じゃなくなるわな。
[お前の大好きな幽霊やら妖怪やらが沢山いる世界だ。どうだ。興味あるだろう]
『無きにしもあらず』
[な・・?]
日本語は青行燈さんには難しかったねごめん。
[こちらに二度と戻ってこれないが、お前にとってそれはささいな]
『あ、断ります』
NOと言える今時の日本人なので。空気とか読まないので。
[・・は?]
青行燈の指がぴくりと動く。
『それは困るので』
[ただの人間如きに拒否権あると思ってるのか?]
空気が一段と重くなる。身体が後ろからの何かに掴まれて動けなくなる。
『えっ重っ・・・っ、ぐっ!?か、っ』
青行燈の白い手が私の首を掴み締め上げる。気道が塞がれて、息ができない。
[断るのなら、断れない状況に落とす]
『ま、や、く、はぁ・・っ!』
目の前がチカチカし始める。意識が波のように揺れる。ぐらぐら、くらくら
あぁ、もし彼が帰ってきたら驚くだろうな。荒れた家、蝋燭100本、倒れてる私。怖がりな彼には、見せたくないな
「何してんの」
第三者の声に、閉じていた瞳が力を振り絞ってゆっくりと開く。
首から手が離れて、反射的に喉を抑えて咳き込む。酸素を思いっきり吸い込む。
『がは、げほ、げほ、げほ・・っ』
崩れ落ちた私の視界には、革靴、黒の靴下の足首らスーツのズボン、ぴしっとシワ1つない上着、短く刈り揃えた短髪。
ht「亡者ごときが、俺の女に手ェ出してんじゃねぇよ」
一番上から、愛おしい彼の声が降ってきた。
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まうるもち - 好きです....文章が神.....いつの間にか読み終えていた不思議 (2019年10月7日 23時) (レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - 紫龍さん» 誤字ですごめんなさい!ご指摘ありがとうございます! (2019年10月3日 6時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 碧月さん» 失礼します…knさんの2条目『後者裏』って『校舎裏』の事ですか?誤字とかじゃなかったらすみません!! (2019年10月2日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
碧月(プロフ) - アルムさん» ご指摘ありがとうございます! (2019年9月29日 9時) (レス) id: 8ab1994adc (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - コメント失礼します!碧月さんの作った小説はやっぱ神ですね!途中で気づきましたがemさんの小説の六限目の20行目の「…そらは愛おしさへと…」は「…それは愛おしさへと…」じゃないでしょうか?間違ってたらすみません!更新楽しみにしています。 (2019年9月29日 8時) (レス) id: 9866a4ca3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧月 | 作成日時:2019年9月17日 6時