9件目 馬車降りるときって危なくない？ ページ10
窓の日差しが目に直撃。
『まっぶし・・・』
寝返りを打とうと体を動かすと手は空を切り床にぶちあたる。
『いっだぁ！！！』
あまりの痛みに起き上がる。目の前には笑いをこらえてる総統が。
gr「見事な寝返りだな。赤ん坊よりうまい」
『馬鹿にしてんじゃねえ！』
席に座り直してグルッペンを向く。少しは寝れたのか、彼は小さくあくびを噛む。
gr「そういやこれどこに向かってるんだ」
『無法地帯』
私の問に眉を顰めるもなく肩を上げるのでもなく、そうか、と一言漏らすだけ。
『ありゃ、怒られると思ったんだが』
gr「怒ったら行き先変えるか？」
『いいえ？』
だろうなと呆れのため息をつく。
『無法地帯って言い方が悪かった。貧困街かな。知り合いしかいない治安のいいところだから安心して』
gr「貧困外に知り合いとかどうすれば作れるんだ」
『母さんの出身地なのさ』
馬車が止まり、窓からこんこんと音が届く。
「ついたよ」
『お、はや』
席から降りると、グルッペンはすでにドアに手をかけてる。行動が早いなぁと思いながら後ろに続く。すると
gr「お手をどうぞ」
『・・うわぁ』
車に降りて、私に向かい手を出す。転ばないように手を取ってくれるのだろう。あまりに自然すぎる動作に思わず顔をしかめる。
『お前それ素？』
gr「なんの事だ」
うっわ
うっわ(2度目)
無視するのもあれなので、彼の手を掴み車から降りる。
「(一国の主と一国の王女。この街じゃ浮く二人ね)」
降りた地面にはガラスの破片やゴミが散乱している。できる限り踏まないようにしながら御者に近づく。
『ここまでありがと。はいお駄賃』
袋いっぱいのお金を手に置く。それでも表情は動かず、どうもと中身も見ずに御者席に置く。
「じゃ、もう二度と会うこともないだろうけど。あんたの顔が新聞に乗らないことを祈るわ」
『急にデレるじゃん結婚する？』
彼女は御者席に乗り、手綱をつかむ。
「あら、私の38人目の彼女の席と45人目の彼氏の席はこんなはした金じゃ座れないわよ」
『愛と金を換算するところ最高』
彼女は、乱万は、最後まで無表情で。だけど確かに笑ってくれたような気がする。
ぱから、ぱから、と馬車が遠のき、この場には私とグルッペンの二人だけ。
『さて、こっから歩くよ』
gr「随分国の外れに来たな。誰かに会いに行くのか？」
『あぁうん少し、知り合いにね』
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ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
