35件目 夢は現実に ページ36
ぐるぐると当てもなく歩き始め、集合時間まで残り半分が過ぎた。
gr「すまん、トイレ」
『んじゃそこのお店入ってるね』
グルッペンは私が指差した先の店を確認し、公衆トイレに向かう。私も店のなか入ろう。
両開きのドアを開けると、そこは素朴な雑貨店。入店音のベルが綺麗に響く。まっすぐ前を向けば、コの字のカウンター。
真ん中には深いオレンジの甚平の形を着た男子・・いや、男性が一人。身長が少し小さいか？少年、ではないだろうが、あいにく面布で顔が見えない。
？「いらっしゃい」
低い声に、少年ではなく男性なのだろうと確信する。頭を下げ、私は商品棚の方へ歩く。
食品もおいてあるのかここ。左側が食品で、奥には本棚か？右側にも本棚あるな。それに雑貨もおいてある。何この［金のスプーン］って、あぁ、猫缶か。
軽食でも買おうかと、いくつかカゴに入れてカウンターに向かう。先程の男はおらず、カウンター後ろのドアが開いてることから、商品か何かを取りに行ったのだろう。
からころん、と、綺麗な音。振り返れば、用を足し終えたグルッペンが。
gr「何かあったか？」
『うん』
gr「店員は？」
『いま奥に行った。ご飯買うついでに話聞こう』
gr「そうだな。」
少し物色してくるといって、本棚の方に向かう。私はカウンターにかごを置いて店員の帰りを待つ。
？「ん、すまんな。待たせた？」
店員は申し訳なさそうに首を傾げる。私は小さく首を降り、商品をカウンターに出す。
gr「あ、これも会計してく」
どさどさ、と、紙束が落ちる音。何事だと振り返れば、唖然と口を開けているグルッペン。床には持ってたであろう本。
？「・・え」
呆然とした声が聞こえ、そちらを見れば面布の裏から見える小さな口から音を漏らす彼。
『？』
間に挟まれた私は、状況が読み込めず二人の顔を交互に見る。見つめ合っているのか、面布をかけているため彼の視線がわからない。
変に緊迫した空気が流れる
それを打ち破ったのは
gr「そう、か。夢を、叶えたんだな」
寂しげに笑う、グルッペンの声だった。
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ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
