この国の主役じゃないんで壊しますね

27件目 疑問が浮かぶ ページ28

ぽかんと開けたその口になにかねじ込みたいなぁなんて呑気なことを考える。

em「な、何いって」
『その為には貴方方の力が必要なんだ。』

エーミールは自分のコーヒーに手を伸ばし、落ち着くようにと一口飲む。

em「ど、どういうことですか」
『そのままの意味なんだけど』
em「貴方方って、まさか」
『ん？あぁ、紫の事じゃないよ』

流石に何も知らない女の子を巻き込もうとは思わない。

『私は言ったぜ？連れが貴方と知り合いだって』
em「！」

察したか。頭が回るようで何より。

em「ま、まさか・・」
『貴方の主、グルッペン・フューラーがお待ちですよ』
em「えっ？」

あれ、察したのこれじゃない？エーミールは困惑顔を更に深める。そういや、大先生にも同じようなことを言ったが同じような反応だったな。

数秒の沈黙のあと、彼は苦しそうに息を吐く。

em「・・どれもこれも信じ難い」
『ほう』

安易に信じられるよりかはマシな反応だ。

em「貴女が仮に王女だとしましょう。なら、なぜこの国を壊す必要があるのです」
『この国がやばいってことくらい貴方だって理解してるだろ』
em「では次」

先の質問は真実でもそうでなくても問題はないらしい。本題は次の質問だろう。

彼は生唾を飲み込み、言いたくなさそうに小さく口を開く。









em「・・我々国、総統は、五年前のあの日に、処刑された、はず」



『・・は？』


一体どうなってんだ？

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