18件目 犠牲は払うもの ページ19
ut「グルちゃんが？え、は？そんな、そんな筈ないやろ」
困惑故に揺れる瞳。五年も離れていたんだ、そら急に迎えに来たなんて信じられるはずがない。
だが、信じてもらわなければ困る。
否、信じさせなければいけない。
『なら今の発言をどう捉えるんですか』
ut「君の感受性がグルちゃんに似てる・・？」
『そんなマジキチ発言誰がするか』
思ったことないわこんなこと。
埒が明かなそうなので、窓の外に目をやる。丁度いい、グッドタイミングで下にはヘラ。
合図を送ればOKのサインが返ってくる。
数分後、下にはグルッペン。
『ほら、大先生。下見て』
ut「へ」
大先生は恐る恐る下を見て、息を呑む。
ut「・・ほんまやん」
へなへなとその場に崩れ落ち、目には雫が乗っている。嬉しそうに口角を上げるのを見るのは気分がいいな。
『信じてくれた？じゃ、行くよ』
手首を引っ張るが、彼は首を振る。
ut「出られへんよ。」
『なんで？』
ut「警備厳しいもん、僕は出られへん」
『うるせぇ出るんだよ！！』
力いっぱい引っ張ると、今度は立ち上がる。大先生は驚いて声を上げ、それと被せるように
金切り声が街に響き渡る
ut「え？」
『・・・』
声に引きづられてか、一気に人通りが多くなる。店内もざわつきはじめ、店員らしき人間は外に出ていく。野次馬精神で続く男娼もちらほら現れる。
今ならそれに混じって連れていける。
『行こ』
ut「まって、なに、何が起きてんの」
『今なら行けるから、行くよ』
店から離れ、少し歩いたところにグルッペンが待ち構えていた。なにやら彼は怒ってるようだ。だろうね。
gr「聞いていないんだが」
第一声がそれか。こちとらお前の仲間を連れてきてやったと言うに。感謝とお礼を述べろよ。
私がため息をつくと、彼はツカツカとこちらに歩み寄る。手を伸ばし、私の胸ぐらをつかみあげる。
gr「・・・」
『何』
何に怒ってるか、なんてわからないほど馬鹿じゃない。金切り声に関係してることだって、私には重々承知だ。
gr「あのやり方で、お前は満足してるのか」
いつもより低く、地獄の底から登ってきてるかのような声。瞳の奥は怒りに染まっている。
『なら他のやり方があったか？ねぇだろ』
反対意見を持ってくるなら、それ相応の説得力がある言葉を用意しろ。
gr「少数を顧みず、多数だけに目を向けるのか。お前は」
責められる理由がわからない。多少の犠牲くらい仕方のない事だろ。それに、彼女には許可を取ってるんだ。なんの問題があるんだ。
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ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
