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元太の手にある私のスマホを取ろうと彼に近付く。
『返して、…わっ！』
元太は意地悪くあともう少しで取れそうだったのに腕を上げた。
その弾みでバランスを崩してしまい、元太を押し倒すような体勢になってしまう。
……あぁ、もう、何もかも最悪だ。
自分がとにかくキライ。
こんな状況なのに、なんでドキドキしてるの。
松田「A誘ってんの？」
『そんな訳ないじゃん…っ、』
松田「ねえ、俺本気だよ。本当に好きだよ、大好き」
腰に回ってきた太くて男らしい腕
見たことないくらい優しく笑った元太の顔にドキドキして締め付けられるように、苦しくなった。
松田「信じられないかもしれない。だけど俺本気だよ、絶対奪う」
『…げんた、』
松田「そんな顔しないで、本当にキスするよ」
冷たい手が耳に触れると、自分でも聞いたことない声が出て咄嗟に口元を隠す。
顔に熱が集まるのが分かって恥ずかしくて目を瞑った。
松田「ねえ、誘ってるようにしか見えないんだけど」
『ちが…っ、！』
松田「さっき言ったこと嘘じゃないから、じゃあまたねA」
口の横に落ちたキス
何事も無かったのように元太は出ていって、部屋に残った温もりがより一層私の胸を苦しめた。
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暫く時間が経ち、スマホに目を向ければ何件ものメッセージと着信が海斗から来てた。
メッセージを開けばすぐさま着信画面へと変わる。
松倉「どうしたの？ずっと繋がらなかったけど、」
『ごめん、ちょっとトイレ行ってて(笑)』
松倉「んだよ！心配したじゃん！(笑)」
またひとつ、海斗に嘘をついた。
何度もついてる嘘に苦しくなってきて、
やましいことなんて何も無いのに素直に元太といたって言えないのはおかしい事だ。
最低すぎるよ、わたし。
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ぴぴ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございますー！そう言って頂けて、嬉しい限りです。 (2020年12月20日 11時) (
レス) id: e083ecf7aa (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - ほんとにこのお話大好きです。 (2020年12月16日 0時) (レス) id: 5ef67c839b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年12月5日 19時
