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松田side
俺のことだけ忘れてた。
俺の記憶だけが、無かった。
葉月やバイト先の先輩たち、中村くんにその友達……そして、海斗のことまで覚えてた。なのに、
辛かった
俺の事を覚えてないことも辛かっけど、こんな目に合わせてしまったことが何よりも苦しかった。
･
『元太今日も来てくれたんだ、ありがとう』
お願いだから元太って呼んで欲しい
そんな俺のお願いを聞いてくれていつもと変わらないAとのやりとり
覚えてなくても、そう呼んでもらえるだけで辛い気持ちが緩和される。
今Aの中での俺はきっと海斗の友達
近いけど、どこか遠いそんな存在
･
病院の先生曰く、1部の記憶だけ忘れてしまっていてその他は異常がない、もし、記憶が戻ったときは色々と支えてあげてほしい、と
松田「体調はどう？頭痛いとか無い？」
『うん、平気！』
松田「そっか」
『てか、元太毎日来なくていいよ。学校からここ遠いし、』
松田「やだ。俺がAに会いたいの」
そう言うと困ったように笑う
こんな顔、ずっと前からさせてしまって自分がとても不甲斐ない。
両想いになれた矢先、俺の事だけ忘れてしまうなんて神様も意地悪だ。
Aからまだ好きって言われてないんだから、言ってくれなきゃ悲しい。早く思い出して欲しいな。
照れたように笑う仕草も、恥ずかしそうにする表情も
もう一度、見せて欲しい。
松田「ごめんね、困らせて」
『…ううん。あのさ、変なこと言っていい？』
松田「うん？」
『……元太といるとなんか安心するの。もっと一緒にいたいって、そう思う。変、だよね』
もし、許されるのなら今すぐ抱きしめたい。
Aの温もりをもっと近くで感じたい。
･
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ぴぴ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございますー！そう言って頂けて、嬉しい限りです。 (2020年12月20日 11時) (
レス) id: e083ecf7aa (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - ほんとにこのお話大好きです。 (2020年12月16日 0時) (レス) id: 5ef67c839b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年12月5日 19時
