青春と一生（虎）

10 ページ10

・









宮近「俺、大丈夫。走るわ」



「無理に走ったら大変なことになるわよ？」



宮近「無敵なんで、平気っす」









そう言ってても、痛そうで足首は酷く腫れてる。


もし走らせて悪化したら嫌だし、


何より彼の好きなサッカーが出来なくなるとかそんな最悪なことになったら嫌だから先生の言う通り棄権した方が、









宮近「...お願い、走らせて。お前らとの練習を無駄にしたくない」


松倉「でも、その足だったら、」









誰よりも負けず嫌いで、

最後までやり遂げる熱心な部分とか、



決めた事は何があっても絶対曲げない所









『.....分かった、一緒に走ろう』









ちゃかの目を見たらすぐ分かる。






私だって出来れば走って欲しくないけど、今日までの出来事を無かったことにしたくない


それは私も、きっとまつく達も同じ気持ちだから私は一緒に走りたい。4人で、完走したい。









「だから、」


『全速力じゃなければいいでしょ？』


「まあ、そうだけど」



『だったら、私達3人で爆走してやる』




中村「…なるほどね、」








『ま、私ボルトの生まれ変わりって言われてるから何mでも走るよ』



宮近「ボルト死んでねえよ(笑)」



『え(笑)まーそこは置いといて...』




松倉「俺も走るのが増えるくらいどうってことねえよ」


中村「4人で完走出来ればオールオッケー」









よくよくルールを聞けば、4人で2000m走り抜ければいいみたいだし、ちゃかには1周だけ走って貰おう。









宮近「そしたら、負担大きくならない？」



中村「死ぬわけじゃないし別にいいよ」


松倉「そうだよ、気にすんな」







『でも、お願いがある。私達3人でちゃかにバトンを繋ぐ。1位じゃなくてもいい。ただ、走り抜けて』









今は1位なんてどうでもいい。

ただ走り抜くことが出来ればそれでいいの









宮近「あぁ、お前らのバトン絶対無駄にしない」







『頼んだよちゃか。2人もありがとう』



松倉「ん、よし、気合い入れるか」



中村「走り抜くぞー！」



『「おー！」』








私たちの中に「諦める」なんて言葉は

一生出てこないと思う。






･

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す