青春と一生（虎）

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さっきからスマホばかり見て、一向にプリントは進んでない。




スマホを閉じたかと思えば机に突っ放して課題をやる気はないみたい。








『うみ、私帰るよ』


中村「だめ」


『じゃあ課題やろ』


中村「やる気出ない」


『うみ！』


中村「っも〜分かったよ、はいはい。やります。」









課題をやり始めて数分

休憩を挟みつつふたりとも集中してやってたから陽がおちる頃には課題はあと少しだけに。


これだけなら1人でやれそう、ってうみが言ったからお勉強会はこれにて終了。うみのお母さんから頂いたお菓子を食べながらお喋りタイムの始まり。









中村「そういえば、最近海斗と会ってる？最近連絡しても返事遅いんだよね〜」


『あー…』









ほぼ毎日会ってるから、なんて言おう。



今日もうみの家に向かう前に会ってきたし、









『夏休みを優雅に過ごしてるんじゃない？』


中村「ふーん。遊び行きたいのにな〜…」


『ね。海に遊び行けてないしさ早く遊んで欲しいよね』


中村「だな」









上手いこと誤魔化せてると思う。

ちょっと気持ちは晴れないけど。









中村「てか、怪我どうなったんだろ。何も言わないけど」


『さ？』


中村「Aなんか知らないの？ふたり仲良いじゃん」



『え〜知らないよ。アイス食べたくなったからコンビニ行こ？』









この話はもうしたくない。

この場にいない人の話をするのは気が引けない。悪口とかじゃないけど、何か嫌じゃん。





腰が重いうみを無理やり連れてコンビニへ向かう。夕方だし、ってなってアイスを買ってからは私の家へと送って貰うことに。



今日付き合ってくれたからってアイスはうみの奢り。こういう時は優しいもんね。









『アイスありがとう』


中村「いーえ」


『うま。アイスはガリガリ君に尽きるね』


中村「だね」









家に着いて、またね、って声掛ければうみの大きな手のひらが頭の上に乗る。









『え、なに(笑)』


中村「ちょっと触れたくなったから。…またね」







うみは、本当によく分からない。

さらっとドキドキするような事をしてくるから感情が追いつかない。








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