似てないふたり【JW】

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重岡side





ドラマの撮影が終わり、スマホを開いた。

時刻は22時を過ぎている。


着替える前にメッセージを送ってみるけど、一向に既読にならん。いつもなら送った瞬間に既読が付いていたのに。…まだお店に居るかもしれん、それか、お風呂とかに入ってるのかも。スマホ肌身離さず持ってるような奴やないし、お店やったら先輩が居る中で触るなんて中々出来ひんし。


もう一度、スタジオを出る前に送ってみる。


いくら待てど既読の文字は付かん。

…何してんねん、


マネージャーの車に乗ってから電話を掛けてみるけど、アナウンスの声が流れるだけ。いつもワンコールで出るやんけ、何してんのほんまに。





「…すんません、コンビニで降ろして貰えませんか？今日はちょっと歩いて帰りたい」

「了解しました」





そう頼んで、冷静を装うけれど。

心臓は嫌な音を立てている。


・

コンビニで必要そうな物を買っていく。確か今日は飲み会言うてたから、お水とか胃に効く薬とかを買う。いつもなら何て思わんのにレジの列が鬱陶しい。

ていうか、いい加減既読付けても良くない？この前のあれは確かに俺が悪かったけど。…やってさ、分からんねんもん。しゃあないやん。



結局、家に着いたのは日付が変わる寸前

インターホンを鳴らすけど反応は無い。


電話を掛けてみれば、ドア越しに着信音が聞こえてくる。…スマホ、頼むから持ち主から離れんといて欲しい。てか、なんで玄関に置きっぱやねん。

諦めてドアノブに買った物を掛けようとすれば、緩い事に気が付く。そっと手前に引いてみれば、簡単に開いた。





「A、？」





家主は靴も履いたままで玄関に座ったまま寝てる。

……俺のさっきまでの心配返して欲しい。

どんな所で寝てんねん。肩を揺すってみても起きる気配は無い。まじで酒クサい。淳太の言いつけ守ってへんやんか。アイツ怒ったら怖いの知っとるくせに。


でも、家に居るんなら、良かった、

話聞いてた時からずっと心配してたから。





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