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女の勘とか嫌な予感とか、
そういう時に限って的中するのは何でやろう。
次の日、大ちゃんと店番をしてたらひとりの女性が来店しに来た。クルクルに巻かれた髪の毛に、高いピンヒール。どこかの女優さんかと思う程キレイ
暫くその女性に見蕩れてたら私と目が合ってそのまま歩み寄ってくる。ふわ、っと香る香水までも良い匂い。
「流くん知らない?」
『……流くん、?』
「ここに居ると思うんやけど、」
頭の中でグルグル思考回路が働く。まるで、ドラマの探偵かのように頭が動いて、彼女が言う流くんが流星の事だと判明する。そして、この前キスしてた人はこの人だって事も。
居るなんて言えば、大変な事になるのは目に見えてるから居ないと嘘をつく。浮かばない顔のままお店を出て行ってくれたけど、これまた面倒くさそう。絶対また来る。
「えらい別嬪さんやったな」
『大ちゃんはああいうのがタイプなんや』
「いや、ちゃうで?」
『ふーん。なるほどね』
「ちゃうから!」
流星の言ってたやらかした子っていうのが、あの人なのかは定かでは無いけれど隠して正解だったと思う。
何かあっては遅いってよく言うし。良い判断やったと思う。次来ても、ちゃんと断らんと。というか、流星にも気を付けるように言わんと、本人が呑気すぎるから心配する。
「でも、家まで分かるって怖いな」
『ほんまやね、私らも落ち着くまで気を付けようね』
「Aちゃんもやで」
2階に上がって、リビングで望とのんびりしてた流星に声をかける。さっきの事実を伝えれば「気ぃつけるわ〜」とだけ。ほんまに、何で自分の事なのに呑気でいられるんよ。
何かそれ以上言うのも気が引けて、若干呆れつつ書類作業に移った。
…そういえば、前に望と一緒に居た女の子はどうなんかな
私が見えた途端、寂しそうな顔をしてたの覚えてる。
好きなんだろうなってのは何となく分かって、みんな上手くいったらな〜って。私も呑気に思う。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時