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玄関に入れば直ぐにかみちゃんの美味しいご飯の匂いがする。今日はカレーやん、早く食べたい。





「…流星のびっくりしたやろ」

『うん、人のキスシーン初めて生で見た』

「そこの感想言う?笑、おもろいわA」

『え、ちょ、笑わんといてよ!』





ケラケラ笑って先に家の中へ入っていく。

流星の仕事ってホストやから、普通にああいうのってありそう。ドラマとかでもあるやん、アフターってやつだっけ、やからさっきのキスもそれだと思う。







暫くして流星も帰ってきた。

他愛もない話をしながら5人で食卓を囲む。


食べ終わったあとは大ちゃんと一緒に片付けをしてそのままお風呂に入る。充分満喫したところで、自分の部屋へ戻ろうとすれば扉の前に流星が居った。





『どうしたん、』

「ううん、ちょっと話したかってん」

『部屋入る?』

「うん」





流星を部屋に入れて適当にクッションを渡す。

なんか話す事あったっけ?なんて思ってたら、流星はさっきの事を話し出した。





『別に気にしてへんよ、流星が私の彼氏とかやったらモヤモヤするかもしれんけど』

「……ごめんな」

『いや、そりゃ気まずいとは思ったけど』





大変じゃ無いのかな、とは心配になる。

いくらホストの仕事と言えど、終わったあとまでお客さんと話したりするのは体力とかそういった面で疲れそう、私には到底出来へんから。





「ごめん、ああいうのもう無しにするよう言っとく」

『それで流星は負担とかにならへん?』

「ならんよ、Aが嫌な思いする方が嫌」





流星は時々、分かんない。

今の言葉も私には理解できへん。


あれ?私って流星の彼女だっけ?って思う、





「……A」





一瞬の出来事すぎて思考回路が追いつくのが遅かった。


じわり、と熱を帯びる唇

それと香るタバコと香水が混じった匂い






「…俺からは、好きな人にしかせぇへん」





やっぱり流星の言葉は難しくて、

恋愛に関して疎すぎる私には到底理解できない。






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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年7月21日 21時

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