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式は順調に進み、聞かされてないのに友人代表スピーチを突然任される。え?と、なりつつ司会者の人に名前を呼ばれるから行くしかなくて、
A、と気さくに手を振ってくれる親友
いざマイクの前に立てばスラスラと言葉が出てくる。
親友に出会えたこと、門出を見送る事が出来たこと、幸せになって欲しいこと。本当に思ってる事もあるけど、思ってもみない言葉も浮かんでは言葉に出す。…最低だと思う。こんな場で、こんな酷い事をしてるんやから。
嬉しそうに涙ぐむ表情を見てこの苦しさから解放された気がした。良かった、これで本当に報われる気がする。
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机や周りに飾られてる色とりどりの花
傍から見てもとても綺麗
……良かった、これで何もかも終わる。
「A、これ美味しいで」
『…わ、ほんまや!美味しい!』
「俺のあげる」
『ありがと』
流星が隣に居るから涙を抑えれる。
無邪気に笑いかけてくれるから、「おつかれさん」って声をかけてくれるから。ほんまに一緒に来てくれて助かる。
1度式の外に出れば、大ちゃん達も居て声を掛けてくれる。「ええ事言うてたやん!」なんて、でもやっぱり、みんなの笑顔見たら抑えてた涙が出そうになるけど。
「A、式典終わったら俺ら片付けあるからそのまま流星と帰り?」
『ん、分かった。ご飯作っておくね』
「ありがとう、ほなまたあとで!」
『かみちゃん達も、本当にありがとう』
私のワガママ、最後まで付き合ってくれてありがとう。
まだ仕事が残ってる3人とそこで別れ、トイレへと向かう。残りはあとブーケトスだけ、それが終われば声を掛けられる前に抜け出したかった。
ふう、とひと息ついて出ようかとすれば扉が開き誰かが入ってくる。……タイミング失った、最悪。気にせず出ようかとすれば、外から聞こえてきた会話の中に何故か私の名前が出てきた。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年7月21日 21時