ブーゲンビリア (ページ26)

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みんな優しい性格やから、私のこんな無茶なお願いを聞き入れてくれる。……なんでこんなにも、温かいんやろう。手放すのが怖くなる。

「ねえ、A。その結婚式ってさ、途中参加とか出来へんの？」

『どういう事？』

「俺らの誰かがAの彼氏なり、知り合いとして一緒に参列出来ひんかなって、花の運搬とかで俺らも行くっちゃ行くけど常に傍に居れる訳やないし」

流星の言葉にみんなが賛同する。

確かに、誰かが近くに居た方が安心する。

前みたいに変に絡まれたら対処の仕方が分からへん。

親友に「彼氏も行きたいって」と連絡してみれば、すぐに既読が付いてOKを貰った。非常識な事を言ってるし、急な事なのに、無茶な事を言ってるのに親友も優しい。

私以外のみんなで話し合ったあと、流星が一緒に来てくれることに。

『ありがとう、ほんと』

「俺らがしたいだけやから」

優しすぎて苦しくなる。

……

私が元カレと会わないようにって、色々してくれるの優しいがすぎる。ひとりくらいは、馬鹿じゃんって怒っても良いくらいなのに。

外の空気を吸いたくなってリビングに居たかみちゃんに声を掛けて外に出る。もうすぐ秋に変わるから、夜風が少し寒い。何か羽織るもの持ってくれば良かったかも、

「風邪引くで」

『うわっ、ありがとう』

「うわってなんやねん、笑」

『びっくりしたんやもん』

恒例のランニングをしてた大ちゃんにバッタリ遭遇

自分の来てたジャージを渡してくれた。

『大ちゃんの匂いする』

「同じ柔軟剤使ってるやん」

『そうけど、大ちゃんの匂い落ち着く』

「え、臭い？」

『なんでよ！褒めてるやん！』

安心する匂いというか、

柔軟剤の匂いもするけど違う別の匂いがする。

……うわなんか、自分で言ってて変態みたいな事してる。

でも、いいや。今は大ちゃんしか居らんし。

ジャージの袖を伸ばして自分の鼻に持っていく。いい匂いを堪能してれば「嗅ぐな、笑」と軽めにどつかれた。

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