ブーゲンビリア (ページ17)

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暫くかみちゃんと話し込んでたら

ピコンと私のスマホにメッセージが来た。

送り主を確認すれば、まさかの元カレ

「誰からやったん？」

『元カレ』

「消してなかったんや」

『なんか面倒で』

かみちゃんには話してるから、特に誤魔化す必要も無いと思って素直に伝える。トークを長押しして内容を確認すれば「一度会って話したい」と。……今更何を話すん？

イラついて無視してればまた次に「会いたい」って、

意味分からへん。

親友を裏切るような事はしたくない。

てか、ふたりで駆け落ちしたくせに今更何かを話す必要性なんて無いやん。

「なんて？」

『会いたいって』

「会ったらあかんよ」

『分かってる』

「連絡先消したらええやん」

私だってそうしたいけど、

私が今受け持ってる結婚式の主催者は彼な訳やし、

何か伝えたい事があればここでメッセージ送った方が楽なんやし。……言い訳ばっかやん、忘れられてない事に今気が付いた。

『…1回会って話してみたい』

「うん」

『忘れる為に会ってみようかな』

「んー、Aがそうしたいなら俺は構わんけど、送り出す事はあんまり出来ひんかな」

『そうやんね』

「俺もついていこうか？」

恋をしてた記憶は中々消えない。

それが叶わない恋でも叶った恋でも。

好きになった人ってふとした時に思い出してしまうから厄介だ。こうしてメッセージが来た時とか、お店に行ってこれよく食べてたな、とか。小さくて温かな思い出は最後が辛くても思い出しちゃう。

最悪な別れ、最悪な再会

最悪な人なのに

『いいよ、ありがとう』

「日程とか決まったら教えて、俺迎えに行くから」

『過保護やん。……でも、ちゃんと話し合ってくる。門出を見守れるように、この恋を忘れるように』

忘れたいって思う程忘れられない。

彼がいま、親友と幸せだと笑顔でいてくれるのなら私はちゃんと前を向けそう。

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