甘さ控えめに【橙】 (ページ25)

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『馬鹿じゃないの、外で待ったりして』

「Aちゃんも前に外で待ってたくせに」

『っそれは……、でも、熱出すほど待ったりしない』

私のベッドの上で苦しそうに息をする海斗くん

いつから待ってたのかは知らないけど、

こんな寒い中で待ってたらそりゃ風邪ひいちゃうよ

熱さまシートに、お粥に

海斗くんが少しでも元気になれるように看病してた。

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元太から「海斗に会ったげて？」って、

仕事終わりにスマホを開けばそうメッセージが来てて

自分から離れたいって言ったけど、

触れたい気持ちはずっと変わらないままだった。

矛盾してるなって、

自分でもワガママなこと言ってるし、

バカみたいなことを言ってると自覚してる。

『元太からね、連絡あったんだ』

「うん、」

『……ねえ、ほんとに迷惑じゃない？』

「何言ってんの、俺は居てくれないとやだよ」

とろんとした目で、海斗くんは笑った

……あーもう、

もうこのまま海斗くんに溺れてしまおう。

恋愛は考えたらダメ

直感で動いて感じるものだって

誰かがそう言ってた気がするもん。

『でも、私、変なこと言っちゃった、偉そうに海斗くんに向かって』

「いいんだよ、気にしてない。Aちゃんがいない方が俺は悲しいから」

海斗くんはどこまで優しい人なんだろう

私みたいにワガママな人を受け止めてくれるなんて、優しさの塊。お人好しすぎる。

『海斗くん、キスしたいです』

「風邪移っちゃうよ」

『その時は海斗くんが看病してくれるからいい』

「なんか、Aちゃんの方が1枚上手だなぁ(笑)」

あついほっぺに手を添えて、

海斗くんにキスをした。

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