甘さ控えめに【橙】 (ページ23)

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抑えようと思っても、なかなか収まらなくて

私が泣くから周りの人も心配してきて、海斗くんに連れられるまま外へ出た。

「言ってくんなきゃ分かんないよ俺」

『……好きです、すごく好きなんです』

「うん、知ってる」

『………だから、離れるの、』

「全然だからに繋がらないけど」

低くて、聞いたことない

そりゃ怒るよね、いきなりこんな事言うんだもん

「もしかして、俺に気遣ってそういうの言ってる？」

頷けば、むしゃくしゃしたように頭をかいて

頬に右手が添えられると優しく指で涙を拭いてくれる

目尻が下がって、優しく笑って、

気付けばキスをされていた。

こんな場面誰かに見られたらおしまいなのに

触れた唇は一度触れてまた可愛らしいリップ音がした

「Aちゃん、今日俺が話そうとしてた事聞いてくれる？」

『…うん、』

「俺は、知ってる通りアイドルしてる。自分で言うの何か恥ずかしいんだけどさ、」

「……好きなんだよ、マジで。こんなに愛しい人初めてなの」

紡がれる言葉にドキドキして、

さっきまでの涙が止まっていく。

「他の恋人みたいに手繋いでデートもできない。けど、一緒にいれるだけで充分幸せだから」

「離れるなんて、言わないで欲しい」

切ない声に胸が苦しくなってまた涙が溢れる。

……私だって、同じ気持ちだよ

ずっと、ずっとそうだよ

でも、夢を壊したくない。

恋人がいるなんて知ったらファンの子だって悲しむはず、海斗くんが何か言われるのがすごく嫌だ。

『……ごめん、』

「ごめんってどういう意味？」

『………やっぱり距離置きたい』

そうする事が1番大切なんじゃないかな

私的にも、海斗くん的にも

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