甘さ控えめに【橙】 (ページ8)

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今日会える？

海斗くんからの突然のメッセージ

二つ返事で返すと「いつものところで待ってるね」そう送られてきた。

自然と私たちの中であの駅のホームが待ち合わせ場所になってて、場所を言われなくても分かってた。

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海斗くんは今日眼鏡をかけてて、

いつもとは違う雰囲気。すごくカッコイイ。

髪の毛も綺麗な赤色だったのが黒髪になってて、胸のきゅんきゅん度が止まらない。

『髪、かっこいい』

「ほんと？イメチェンしてみたんだ」

『髪だけね、髪型だけ』

「ひど(笑)」

もう、海斗くん全てがかっこいい

借りてた洋服を渡して、同じ電車に乗りいつものように周りに迷惑にならないよう話してた。

…だけど、今日は違った。

私が降りる駅で海斗くんも降りた。

電車は過ぎ去り、駅のホームには私と海斗くんだけ

『え、ここでいいの？』

「うん、もう少しAちゃんといたいから」

好きな人にこんな事を言われたらたまったもんじゃない。

好きすぎて叫びたい。

とりあえず駅のホームを出てふたりで歩き出す。何だか、不思議な感じ。初めて会ったときも、こうして歩いてたな～って思い出した。

それと、海斗くんは気遣いが凄い。

この前の時もそうだけど車が通るとさりげなく道路側を歩いてくれたり、寒くない？なんてずっと心配してくる。

『大丈夫だって、海斗くんこそ寒くない？』

「へーき(笑)……あ、ちょっとさ公園寄っていい？話したいの、Aちゃんと」

…なんというか、あまり見たことないかも。

今日は暗いというか元気がない海斗くんを見たのは初めて。いつも明るい海斗くんを見てたから不思議な感じ。

近くの公園に寄りベンチに腰掛ける。

海斗くんは弱々しい声でそっと話し始めた。

「……なんかさ、全然前が見えなくて、このままでいいのかなとか、頑張っても意味無いんじゃないかとか、そんな風に思って」

やっぱり今日の海斗くんは、

ちょっと違う。

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