#39 ページ41
「千冬の言う通り龍星くんと
はにかんで笑って見せりゃ鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた
「フー⋯ッ」
近付く四谷傀團を目の前に深呼吸して構える
何処からでも対応出来るように神経を張り巡らせる
正直勝てるか負けるかなんて分からないけどこの場で動けるのは私だけならやるしかない
一歩踏み出そうと片足を地面から少し浮かばせれば
私と小次楼の間に何かが通り私に向けられてたバットが消えバットの側には野球ボールが転がっていた
「！？」
「何⋯！？」
張り詰めてた神経を和らげ肩の力を抜く
「じゃじゃ馬女とオマエが仲良くなれんのは無理な話だな」
馴染みの声が聞こえた方を向けばバットを片手にホームベースに立つ圭介の姿があった
「圭介！？⋯⋯って、じゃじゃ馬女って何よ！！」
「たりめぇだろ連絡も無く野郎の所にのこのこ着いて行きやがって⋯暴れ回るつもりだったんだろうが危ねぇだろ」
「⋯ぐっ」
返す言葉が無くて虚無になりそう⋯。
「それより何で此処に⋯⋯あ！」
圭介の後ろには佐々木くんと竹内くんの姿があった
二人がバッティングセンターに連れてかれる私達の姿を見て圭介に連絡してくれたんだ！
「一人で乗り込んで来るとはよ⋯変わってなくて嬉しいよ相変わらずだな場地」
「オメェこそ人攫いだのリンチだの相変わらずろくでもねぇな」
二人は初対面ではない会話をしてるけど東卍と四谷傀團には何かあったのだろうか⋯。
「わっ」
「何？Aちゃんと場地ってそういう関係なワケ？」
左手首を掴まれるとまた小次楼に引き寄せられ抱き締められてしまった⋯圭介の登場に完璧に油断した。
「⋯離して」
「うん、何度見てもオレ好み⋯やっぱり仲良くしようか」
そう言って私の顎を上に向かせると唇が重なった
「んんっ！？」
逃げようとすれば腰に腕が回り後頭部は押さえつけられる
掌で両肩を押し返そうとするもやはり線が細いくせに力が強い
だんだん苦しくなり酸素を吸い込もうと口を開けばぬるりと舌が入ってきて口内を掻き乱される
「ッッ！！！」
「テメェ！！離れろや！！」
千冬が叫ぶもやめる様子が無かったため足の位置を確認して右足を上げて思いっきり小次楼の足を踏めば痛がり体が離れたから今のうち距離を取って乱暴に口元を拭く
「⋯っ、はぁ⋯はぁ⋯最悪」
「可愛いねぇ⋯」
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2023年3月5日 2時
