#35 ページ37
連れてかれたのはさっき言っていたバッティングセンター
中に入れば制服を着崩した男子学生達が居座っていた
四谷傀團の溜まり場ってことはここに居る奴らは四谷傀團で間違いないだろうか
「お帰りなさい！」
「おお！女の子！この子どうしたんですか！？」
「女だ！しかも可愛い！」
「コイツら縛って座らせといて」
駆け寄る男達の視線を遮るようにロン毛の男は私の目の前に立ち千冬と吉田くんを壁に置いてるパイプ椅子に座らせ縛るように命じた。
「何する気⋯！」
「まぁまぁ、君には特等席用意するから楽しんでいってよ」
振り向いたその顔は先ほどと同様に隈を濃くし弧を描き笑っていた
「それにしてもオレ好み⋯名前は？」
「人の名前聞く前に自分から名乗りなさいよ」
「あぁごめんごめん
オレは四谷傀團 副隊長、
「！！」
四谷傀團！？しかも副隊長！？
これはかなり面倒くさい事になった⋯圭介に連絡取って応援しに来てほしいけれどこの現状、連絡なんて出来る気がしない
それよりコイツらが四谷傀團って事は龍星くんはきっと此処に居るはず
何処かに居ると見てバッティングセンター内を見渡せば、奥の方に下着以外脱がされ縛られてパイプ椅子に座らせられてる状態の龍星くんをネット越しに見つけた
「龍星くん！！」
「おっと、君はオレの側ね？てかアイツと知り合いなんだ⋯ふーん」
名前を呼んでもその目はいつものお茶らけてる目ではない生気を感じられず虚な様子でこちらに気付く事はなかった
龍星くんの元へ行こうとするにも腕を掴まれ阻まれる
「で、君の名前は何て言うの？」
「⋯A」
「Aちゃんか可愛いね、オレは優しいから女の子に手を出す事はしないから怖がらなくて良いよ」
右頬に手を添えられゆっくりと首筋から肩に向けて撫でられる
「⋯っ、やめて」
「はは、ごめんごめん」
手を払い除ければ特に反省した素振りもなく軽く謝られ
此処に座っててね、とホームベースの場所まで背中を押されバットを振り回しても当たらない隅の方にパイプ椅子に座らせられ、その隣には小次楼が楽しそうにしていた
そして縛られ気絶したままの千冬と吉田くんは男達によって人工芝の上に移動させる
「準備出来たかオマエら」
「小次楼さん！まずオレからやりますね」
「！？ 吉田くん！！！」
バットを持つ男がピッチングマシンから出てくるボールをホームベースで振り翳すとそのボールはバットに当たる音が鳴った
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2023年3月5日 2時
