#31 ページ33
あれから暫く経っても龍星くんから返事は無かった
圭介達も音沙汰ないみたくどうしたものかと悩み、千冬の考えだと四谷傀團の奴に⋯と言う可能性があると。
だけど圭介は龍星くんがそう簡単にやられるとは思ってないみたい
そして千冬は家でサボってるんだと思い龍星くんの家に行ってみるらしい
「千冬、私も着いてって良い?」
「え?良いですけどどうしたんスか?」
「んー⋯分かんないけど何か嫌な予感する」
「よし、行きましょう!!」
「うん!」
教えてもらった住所を頼りに辿り着いた場所は、まさみと看板に書いてあるスナックだった。
「ここ?」
「ここっぽいッスね⋯ノックしてみます」
「うん」
「龍星ーいたら返事しろー」
閉まってるドアを二回叩き返事を待てば開錠される音がしドアがゆっくりと開かれた
「ゴメンナサ〜イまだ準備中⋯⋯あれっ」
「⋯⋯!!」
「綺麗⋯!」
中から現れたのは目的の龍星くんじゃなく胸元が大きく開かれたドレスを見に纏った女性だった
「なになに?龍星の友達?カワイ〜〜〜」
「まッ⋯まま⋯松野です⋯!!」
「初めまして、Aです⋯!」
「よろしくーウチの子にもこういう素朴さが欲しいわホント」
”ウチの子”という事はこの女性は龍星くんのお母さんで良いのだろうか
見た目は派手だけど龍星くんの褐色の肌色とは反対に色白
目元のタレ目具合がお母さん譲りなのだと分かるぐらい似てる
「ハ、ハハ⋯」
「Aちゃんは
「え!?そ、そそそんなんじゃ⋯!」
「ふふ、違いますよ」
「えー?違うの?こんな可愛い子彼女にしないならウチの子の彼女になってほしいぐらいなんだけど〜」
隣に居る千冬を横目に見れば茹で蛸の様に顔を真っ赤にして否定するから面白くて思わず吹きそうになったが抑えてお母さんに視線を戻す
「今更ですけど突然お邪魔してすみません、龍星くんに用事があったんですけど龍星くん帰って来てますか⋯?」
「あー⋯どうだろ部屋にいんじゃない?上がっていいよ二階が自宅なんだ、どーぞ」
そう言うと、ドアを全開に開け私達を上がらせてくれた
一階がスナックって事もあり、棚には沢山のボトルや綺麗なグラスが並べられてた
「⋯で?松野君彼女いるの?」
「え、いや⋯いないっス」
龍星くんママによる突然の質問に戸惑いながら答えてる千冬を横目に、コイツは圭介狂だからな⋯って思って遠い目してれば目の前を歩く龍星くんのお母さんと目が合う
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たまりんこ | 作成日時:2023年3月5日 2時