揺れる一輪の花 (ページ17)

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#15 ページ17

「それより用事あったんじゃないの？」

チョップしたところが痛むのか手で摩る万次郎に問いかけてみれば、ニヤッと不敵な笑みを浮かべて私を見るから、嫌な予感して身構える

「⋯な、なに」

「特に用事ってもんじゃねぇけど偶々通ったらオマエらがイチャついてんのが見えたってだけ」

「イチャついてねぇよ！/ないわよ！」

「あーあ⋯オレも彼女欲しいーA彼女になってくれよー」

そしてまたさっきみたいに項垂れる様に抱き付いてくるから、圭介に助けを求める

「マイキーいい加減Aから離れろや」

私達の中を引き裂き圭介は私を背中に隠してくれた⋯いや、えぇ⋯こんな風には望んでなかったけどさっきのさっきでこれは何かくるというか⋯！
千冬に借りたいつかの恋愛漫画を思い出して、じわじわと顔が赤くなるのが分かる

「ぷっ、場地オマエ早くしねぇとマジでオレが貰うからな」

「マイキーでも誰にもコイツは譲んねぇよ」

「〜〜〜っ！！」

目の前に本人が居るのにそんな事言える！？
恥ずかしさのあまり、じゃあお先に！とその場から二人を置いて走って帰る

「えー！えー！あれってもうそう言うことじゃーん！！」

冷めない顔のままさっきの出来事を思い出しては居た堪れない気持ちになって早く帰って稽古なり勉強なりして早く熱冷まさないと明日から気まずくなるー！
そう思って走るスピードを上げて早く家に辿り着けと願った