#102 ページ7
「⋯無理はするなよ」
「うん」
心配するタカちゃんに返事して一目散に鉄パイプ男に向かって走り、見えた姿に飛んで空中回し蹴りをすれば左肩に当たりそのまま床に倒れた
「イヌピー!!」
「おいおい、乾!女にやられてんのかぁ!?」
「⋯⋯え、イヌピー?⋯⋯⋯イヌピー?って言った?」
ココが大寿の声と重なって叫んでいたが聞き間違いだろうかイヌピーって聞こえた気がした
昔、真一郎君のお店によく行っては左目当たりに額から火傷跡がある一つ上の男の子が居た
私が真一郎君のお店に居れば、話してくれたり遊んでくれたりしてた⋯その子の名前は乾青宗、皆が乾やイヌピーとか呼んでたから私もイヌピーって呼んでた
可愛いあだ名だから覚えてたし何より整った顔は印象に残ってた。
王子様のような見た目とは裏腹に喧嘩が強いってのも知ってる⋯
倒れた男の顔を離れた所から首を傾げ覗くように見たら
当時見た整った顔は面影があり火傷の跡もあった
「⋯え!イヌピーくん⋯?」
「いてぇな⋯あ゙?」
「私、Aだよ覚えてる?」
「⋯⋯A?」
私の顔を確認したイヌピーくんが驚いてて
そりゃこんな所で再会するとは思わなかった
起き上がったイヌピーくんが私の元へ走り抱き締める
その力は強く首の骨折れてしまうんじゃないかとあたふたしてたら力が緩み体が離れたため改めて確認すればやはりイヌピーくんだ
「⋯イヌピーくん久しぶり」
「あの人が居なくなってからずっと心配してた⋯東卍にいんのか?」
「うん、東卍に入ってる」
「Aちゃん知り合いスか?」
千冬の問いに首肯すれば面白そうに大寿はこちらを見ていた
「聖なる日に感動の再会を神は与えたか⋯⋯だが乾、その女諸共殺してやれ」
「⋯ッ」
「イヌピーくん⋯」
総長命令に歯向かうなんて出来ないだろう
私もここを引いてしまえば皆が危なくなる⋯でも、良くしてくれた人を殴れない⋯。
「A!タケミっち!お前らに全部背負わす気はねぇ
Aは柚葉を見ててくれねぇか?タケミっちと千冬は邪魔な二人を足止めしてくれれば大寿は俺がやる!」
拳を握り下を向いてた私に気付いたタカちゃんは私に下がれと遠回しに言うけどタカちゃんも満身創痍なはず⋯。
「⋯そんなボロボロな体じゃ無理だよ」
「あぁ俺一人じゃ無理だ⋯力を貸してくれるな?八戒!
お前は今黒龍メンバーだ俺らと共闘する必要はねぇけど柚葉を⋯姉ちゃんを守る為に力を貸してくれ八戒!」
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作者名:たまりんこ | 作成日時:2022年8月13日 12時