いつかのあの日にIII (ページ41)

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稀咲の後ろから現れたのは黒川イザナだった

「お前らは俺のマイキーを殺した」

イザナの目に光は無く怒りに染まっていた

「鶴蝶(カクチョー)」

イザナに名前を呼ばれ出てきたのはカクちゃんだ⋯

「花垣(コイツ)を殺せ」

「はい」

イザナの指示に従い銃を取り出しこちらに銃口を向け迷わずトリガーを引くのが見えた

撃たれた！撃たれた！いてぇ⋯ッ！！
だんだんと虫の息の様になっていくのが分かりこのままだと俺も直人も死んじまう⋯！！

「ご苦労ー」

「⋯あっけねぇもんだな」

イザナの声も稀咲の声も聞こえるもなんて言ってるのか分からない

くそっ⋯！！

「ナオト⋯すまねぇ⋯」

「タケミチ君⋯君を⋯この現代で初めて見つけた時絶望しました⋯こんな⋯こんな情けなさそうな奴に全て託さないといけないのか⋯ってこんな奴の⋯どこに姉さんは惚れたのか⋯不思議でした何度も失敗する君を見てて今は⋯こう思うヒーローってこういう人なんだ⋯って何度失敗しても諦めない⋯タケミチ君、君は⋯僕の誇りです」

喋るの辛いはずなのに自分の気持ちを話してくれた直人に涙が止まらねぇ⋯歪んでしまった視界の中には確かにハッキリと直人は居る

「最後の握手です⋯」

右手を伸ばしてきた直人はやっぱり死ぬのは怖いですねなんて言いながら笑っていた⋯

「さぁ僕の⋯息があるうちに」

最後じゃねぇぞナオト最後にさせねぇ！！俺は諦めねぇ！！

力の弱くなったお互いの手を繋ぎ、クソみたいな未来を必ず変えると己に誓った