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決戦前日、千冬から”場地さんに会って来ました”って連絡が来た
どんな話した？とかどんな様子だった？とか聞きたい事あったけど、私も直接圭介に会いたい⋯そう思って圭介に電話を入れてみたら案外出てくれて昔よく遊んだ河川敷で待ち合わせする事にした
待ち合わせ場所に行けば見慣れた後ろ姿、だけど白の特服を着ていて違和感しかない⋯
そんな圭介に近付き後ろからお腹へと手を回し抱き締めれば離そうとする素振りもなくただ受け入れてくれた
「⋯⋯圭介、戻って来て」
「⋯⋯」
「もう戻れないのかな⋯ツーリングとかカラオケとかバカ騒ぎとか⋯勉強会とか⋯もう出来ないのかなぁ⋯」
「んなの俺居なくても出来んだろ」
「バカじゃないの⋯圭介と一緒が良い、圭介が居ないと意味無いじゃん」
お腹に回した手に力を込め背中に額をグリグリと擦り付ければ手首を掴まれ呆気なく体は離れこちらへ向き直り目が合った
圭介の顔はどこか寂しそうに見えてしまい気付いた時には圭介の温もりと匂いに包まれていた
「離れないでよバカ」
「すまねぇなA⋯つか芭流覇羅に近付くな言ったろ」
「ごめん⋯あのさ、東卍が勝ったら圭介と一虎の事連れ戻すから」
「⋯まさかお前も来るんじゃねぇんだろうな」
「千冬から聞いてないの？私、東卍に入れたんだよ」
「はぁ？よくマイキー、OKしてくれたな」
「⋯うん」
だから私もメンバーの一人として圭介と一虎のこと、助けるよ
未だに離れないこの温もりと匂いと圭介の心臓の音⋯私にとって安心材料と言っても良い。
「⋯ま、お前が入ったところで状況は変わんねぇよ精々怪我すんなよ」
「うん、ありがと」
「⋯⋯⋯A」
名前を呼ばれれば背中と腰に回ってた手は両肩へ置かれ体を離され圭介の双眸に見つめられる
「⋯圭介？」
名前を呼べば近付く顔に自然と目を瞑れば圭介の柔らかい髪が両頬に当たり唇に柔らかい感触を感じた
「んっ⋯」
何秒、何分⋯分からないけれども角度を変えたり舌を入れたりとまるで名残惜しさを持たない様に味わっていた
それが私にとっては逆に名残惜しく感じてしまった
「圭介、どうしたの⋯？」
私の問いには答えず最後に優しく抱き締められては離れ背中を向け歩いて行ってしまった
「じゃあな」
夕陽で伸びた圭介の影は何だかもう会えない様なそんな感じがして何も言えず見えなくなるまで後ろ姿を見続けた
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2022年7月15日 17時
