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髪に冷たい雨が打ち付けるが気にしない
ただひたすら目の前にいる万次郎の言葉が返ってくるのを待つ
一歩近付いた彼がドラケンから傘を取り私の頭上へ翳し雨を凌いでくれた
傘に打ち付けられる雨の音と自分の鼓動の音が時々マッチしていた
「⋯A」
どこか優しさを含む声で名前を呼ばれたが顔を上げず良いかダメかの返事を待ち続ける
「⋯私なんか役に立たないと思うよ⋯でも、もう仲間外れは嫌なの⋯お願い、万次郎⋯私もタケミっちと千冬と一緒に圭介連れ戻すから⋯！」
「⋯A、顔あげて」
「やだ⋯良いって言うまで上げない」
「⋯ふっ、ほんとお前は」
ドラケンに傘を持たせ万次郎は私の両頬を包み優しく上へ向かせれば先程よりか少しだけ目に光が見えた気がした
「女が入ったなんて知れ渡ればAを出しに使う奴が現れてくるかもしれないその時、俺の目の届くところに居なかったらどうすんの？俺もお前が失うの怖いよ」
「⋯うん」
「お前がそこら辺の奴より何ならタケミっちや千冬より強いのは分かる。けど、好きな奴の顔に怪我作られたらそいつ殺しちゃうかもしんねぇよ？」
「え⋯はっ」
「⋯その前に私がやり返すし」
タケミっちや千冬よりって言葉にタケミっちがショックを受けていたのか思わず口に出たみたいで急いで口を手で塞いでた
「ハッ！良いじゃねぇかマイキー、こうなったAは聞かねぇの分かってんだろ？」
「はぁ⋯ほんと俺の周り我儘しか居ねぇなー」
「それ万次郎が言う？」
「言えてる」
「んだと〜！！！」
「わー！！やめて！ただでさえ雨なのにー！」
万次郎の言葉に私とドラケンが笑えば不機嫌になった万次郎が私の髪をぐしゃぐしゃと掻き乱した
「⋯A、危ねぇと思ったら引けよ」
「うん」
「東卍へようこそ、A」
「⋯！ よろしくお願いします！総長！」
手櫛で髪を整えてたら、入隊の許可の意を持って手を差し伸ばされ急いで握り返し我が総長へ再び頭を下げた。
ようやく憧れてた私が入りたかったチームに入れた
もう部外者でもないチームのメンバーだ
私は幼馴染でもありメンバーの圭介、そしてもう一人のメンバー一虎を助ける為に動ける
万次郎には悪いけど一虎も私の中では大切なメンバーだ。
二人が東卍に戻れる様に、決意を込めたこの拳は絶対誰にも負けない⋯。
「そういや何処の隊？」
「んー場地のとこの方が良いだろ？帰ってきた時びっくりさせてやれよ！」
「⋯万次郎、それ最高」
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2022年7月15日 17時
