#83 ページ37
「稀咲の暴力、黒龍の金⋯この二つをなんとかしねぇとマイキーが正気に戻ることはねぇ、協力してくれタケミチ
今度は俺がマイキーを⋯佐野万次郎を救いたい」
「マイキーの左腕である”元黒龍組”アイツらは俺と深い因縁がある」
「因縁？」
「”元黒龍組”の原型は十一代目黒龍、東卍結成前俺が揉めていた暴走族だ。強請り、脅し、殺人⋯金のためならなんでもアリの連中だ
コイツらの生み出す莫大な金がマイキーを狂わしている一つだ。俺のツテで奴らの隠し口座を突き止めた金の流れを断ち決着をつけるつもりだ」
「そして右腕である稀咲と決着をつけようとしたのがAと千冬だった⋯千冬が殺されたのは稀咲を追い詰めていたからだ⋯Aもマイキーの粛清が無くても結局は稀咲に殺されていた⋯遅かれ早かれ結果は同じ」
「⋯どうやって稀咲を追い詰めたんですか？」
「ある日稀咲に殺された女の弟と名乗る刑事が俺らに接触してきた」
⋯直人だ！！
「え！？千冬とAちゃん⋯その刑事は繋がってたんですか？」
「あぁ、”橘ヒナタ殺害事件”は稀咲の命令だ⋯Aは弟の存在知らなかったが姉の方とはダチだったみたいですぐ協力したよ 」
⋯そうだ、ヒナとAちゃん友達になったんだもんな
友達になれたって嬉しそうに話してくれたヒナの笑顔を思い出してしまう
「あの事件、覚えているだろう？東卍構成員の千堂敦が車ごと橘ヒナタの乗った車に突っ込んで大炎上、二人とも死んだあの事件」
覚えてるさ⋯この目に焼き付いている。
「稀咲にはアリバイがあったあの日、稀咲はお前ら幹部と集会をしていた」
え？俺らと集会？⋯って事はこの世界で俺はヒナとアッくんが死んだ時その場に居なかったのか！？
「だが二人は証拠を掴んでいた⋯稀咲が命令を下したという証拠をな！アイツらは本当にあと一歩の所まで稀咲を追い詰めた⋯あと一歩の所で逃したのは二人の所為だった⋯何故か最後の最後で証拠を隠したからだ」
「え？」
「降りろタケミっち、その路地裏に会わせたい奴がいる」
「俺に？」
車を停めて降りる様促され降りる
この路地裏に会わせたい奴⋯誰だ？
撃たれた足を庇いながら歩けば壁に凭れてる直人の姿があった
「直人！！」
⋯やっと会えた！この世界では連絡先消えてたのか分からなかったけど良かった！
「待ってましたよタケミチ君」
「え？」
近付いて来た直人はあろう事か俺の両手首にワッパを掛ける
「花垣武道、午前7時38分逮捕します！！」
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作者名：たまりんこ | 作成日時：2022年7月15日 17時
