いつかのあの日にII (ページ20)

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「場地さん⋯？」

「圭介⋯？もう少しで救急車来るから目開けて？
⋯圭介の怪我治ったらさツーリング行こ？弁当作るから⋯いつもつまみ食いしては美味いって⋯誰も貰わなかったら俺が嫁に貰ってやるって⋯言って、くれたじゃんっ⋯勉強だってまだ教えきれてないよけーちゃんママに絶対⋯っ、卒業させるって約束したのに⋯ねぇ、圭介！」

「場地さぁぁん！！」

千冬が泣き叫んでも閉じられた目は開く事などなかった⋯
頭がおかしくなりそうだ⋯これからどう向き合って生きていけば良いんだろうか⋯大好きってもっと言ったからよかった⋯もっと色んな思い出を見つけたかった、もっと側に居てほしかった

「⋯⋯タケミっち、Aちゃん⋯やっぱり場地さんは東卍を裏切ってなんかなかった⋯一人で戦ってたんだ！俺はそれを分かってたのに⋯分かってたのに守れなかった！！救えなかった！！」

「そうだね⋯圭介の事分かってたのに最後まで分かりきれなかった⋯力になんか、なれてなかった⋯っ」

「あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！！」

タケミっちが雄叫びを上げ圭介の死を境に万次郎は一虎をひたすら殴り続ける間に手を広げ入った

「どけ⋯テメェも殺すぞ」

「もうやめましょう！！マイキー君！！」

「場地君はこんな事望んでねぇよ！！」

「テメェが場地を語んじゃねぇよ」

タケミっちの言葉は万次郎には届いておらずひたすら殴り蹴っていた
それでもタケミっちは諦める事もなく何度も万次郎に向き合ってた

「場地を語んな？死んじまったんだぞ場地君は！！何でわかんねぇんだよ！？」

制服のブレザーを脱ぎ捨てその拍子に一つのお守りが落ちたのが見えた

「場地君が何の為に死んだと思ってんだよ！？二人の⋯東卍の為だろ！？場地君は一虎君に殺されるんじゃなくて自決することを選んだんだ！！場地君は一虎君に負い目を感じてほしくなかったから！！マイキー君に一虎君を許してほしかったから皆が大好きだからその決断をしたんだって！！何で分かんねぇんだよ！！」

「タケミっちこのお守りをどこで⋯？」

「⋯⋯集会の時、神社で拾ったんですよ⋯」

「場地⋯ずっと待ってたのか⋯？」

万次郎が手にしたお守りに”交通安全”と縫われてる一つのお守り

「”あの日”のお守りだ」

「場地⋯」

万次郎も一虎もドラケンもタカちゃんも思い出したらしくそれぞれ涙を流していた

「チーム創った時に買ったお守りだよね⋯？圭介が自慢気に見せてくれたの憶えてる⋯」