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プロローグ ページ1
嫌な夢をみていた。
日常の中に貴方が居ないという地獄のような夢。
「ねぇ、どこにいるの…」
不安と哀しさから漏れた弱音は、誰の耳にも届くことなく消える。
嫌だ、いつもみたいに私の名前を呼んでよ。
私だけに見せてくれる、大人の顔と声で…甘く、溶けてしまいそうな雰囲気に酔わせてよ…
.
.
「おはようA、どうして泣いてるの?」
滲んだ視界に映り込む、こちらを見つめる琥珀色の瞳。
困ったように寄せられた眉と、微笑をたたえた唇。
あぁ、よかった。私の愛しい人だ。
私は迷わず彼に抱きついた。
少し驚きながらもしっかりと受け止めてくれる逞しい腕。
「悪い夢をみていたの。でも大丈夫よ。」
ぐっと抱きしめる腕に力がこもった。
暫くの間抱き合って、ふと見つめ合う…数秒後。
いつもより甘いくちづけが、私の一日の始まりを告げた。
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作者名:てる | 作成日時:2021年12月12日 16時