盛りの不良共は天然女子を落とすのに必死なんです 1

room ページ45

堅「A」




『ん〜』




私に抱きついていたAさんは、ドラケンさんに呼ばれてるにも関わらず動こうとせず、エマちゃんはただただ、乙女の顔をしていた。




堅「行くぞ」




『ぃやあだぁ〜〜』




駄々をこねるAさん




堅「A、これやる」




ドラケンさんが持っているのは、「ベビーカステラ」と書かれた紙袋




それを見た瞬間




『行く！！！！！』




スクっと立ち上がり、ドラケンさんの方へと駆け寄る




そして




Aさんはくるりと後ろを振り向いて私に手をゆらゆらと振った





「可愛い…………………」(小声




私も手を振り返してその背中を見送る。




日「ねぇ、エマちゃん」




エ「ん〜？」




日「Aさんみたいな女の子も、喧嘩するの？」




エ「するよ？」




日「…………ねぇ、エマちゃん」




エ「今度はなぁに？」




日「Aちゃんって、どの位に居るの？」




エ「え、副そ…………」




堅「オラ！テメーら集まれ！

集会するぞ！！！」




ドラケンさんの声で話が切れた。




「お疲れ様です、総長！！！！！！」

「お疲れ様です、副総長！！！！！」




「「お疲れ様です！！！！」」




ドラケンさんと、マイキーさんと、Aさんが…………………





日「えっっっ、ぁ！！！！！」




私は口を急いで塞いだ




エ「どうしちゃったの、ヒナちゃん」




日「だ、だって

Aちゃん、副総長って……………」




エ「え、あ〜〜

そうだよ〜、総長がマイキーで副総長はドラケンとA

びっくりするよね、あんな可愛い子が副総長って」




私は勢いよく頷く




エ「ふふ、でもね、超強いんだから！！！

普通に年上からの喧嘩買っちゃうし、もう止めるの大変だもん」




日「えっ、そうなの！？」




エ「そうだよ、ねっ

すっごーくかっこいいでしょ」




私はもう一度、皆の前に立つAさんを見る




日「……………うん、かっこいい。」




私が今見たAさんの顔はもう、さっき私に抱きついていた時のあんな可愛い顔じゃなくて




誰も寄せ付けないくらいの威圧に、これから起きる事に勝つ自信しか無いそんな余裕を見せるような顔だった。

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