盛りの不良共は天然女子を落とすのに必死なんです 1

delinquent ページ3

俺達を押し倒していく、見るからに俺達より年上の男が5・6人




いたるところから血を出していた




「ウルさんっ！！！！！」




血だらけの男達が真っ先に口にしたのは
ウルちゃんの名だった




『………どうしたの、その傷』



さっきまでのあの優しい雰囲気はすっかり無くなって今はまるで、一匹狼の様な近寄れば殺されてしまうそんな雰囲気が彼女からは漂っていた。




「しくった、しくじっちまった……っ。カツアゲされてる中学生助けようとしたら相手が大学生でよ……相手にしちまった……っ」



「ウルさんに騒ぎを起こすなって言われてんのに、本当ごめんっ…………」




「っ、まだ俺ら以外にぴいちゃんとてっちゃんと早見が袋にされてんだ……っ！！！！！」




「っ、ウルさん連れて来いって言われて早見達が連れて来るわけねぇだろっつったら皆が………っ！！」




それ以上は嗚咽で何を言っているか分からなかった、でもウルちゃんの顔はさっきよりも更に険しく怒りを浮かばせているように見えた。




『分かった。恭ちゃん、皆の手当て頼める？』




恭「いいけど、ウルちゃんも気をつけなさい。
可愛い顔に傷なんて作っ………」




『恭ちゃんもしかして、私の事舐めてんの。

私、これでも"二小のウル"だよ』




恭「……………もう、分かったわよ

行ってらっしゃい！！！！」




『ありがと、恭ちゃん

行ってくる』




さっきとは見違える程に別人だった




堅「二小のウル………」




万「なぁ、ケンチン俺達も後着いて行こうぜ」




堅「ん、おう」




二小は対して俺達みたいに争い事を真っ向から受ける所ではなかった為か、あまり目立つ存在では無かった。

だから二小の噂は単なる噂にしか過ぎなかった
"二小が裏ボス"だとか野獣に大男などと言った根拠もない噂ばかりで




でも、今日分かった、二小の謎。




"二小のウル"




野獣でも大男でも無い、そんなものよりずっと遥かに強い女だというのをそろそろ俺達は、知ることとなる。

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